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卒業?

小川麻琴写真集 紺野あさ美写真集(DVD付)「なつふく」
小川麻琴紺野あさ美が卒業を発表した時点で、筆者の中でモーニング娘。は終わった。
小川は語学留学し、紺野は大学進学をめざすという。言うまでもなくこの二人は娘。の
中で一番勉強のできる二人であり(1紺野、2小川)、加入した時点で高校進学を断念
させられる娘。システムの中にあっては、密かにジレンマを抱えていた二人だったに
ちがいない。加入時は補欠とつんく♂Pに言われながら後年は5期で高橋に次ぐ
人気を得ていた紺野。加入時はエース格かと見られながら伸び悩むも、後年には
保田の跡を継いで見事に〈落ち〉担当の座を不動のものとした小川。北海道育ちだけに
スケートが巧かった紺野。運動会の走り高跳び一人だけ背面跳びができた小川。 加入後
すぐ怪我をして、唄い踊る他のメンバーたちを陰で見ながら独り振りを合わせていた
紺野。歴代全メンバーの中でも同期の高橋とともにただ二人だけ加入時から踊りの基礎が
できていた小川。そして何よりも小川と紺野は全メンバーの中で一番人柄のいい、
人間性のいい二人だった。「ハロモニ」での連帯責任ゲームで、自分の失敗のせいで
みんなに迷惑をかけたと言って収録中にもかかわらず泣いたのは、石川の他には彼女たち
二人だけだった(たぶん)。そうした人柄のよさは、他人を踏み台にしてでも
のしあがらねばならないのが常の芸能界にはもともと馴染みにくかったかもしれない。
二人には是非、芸能界に残って掴めるもの以上に大きな何かを得て帰ってきてほしいと
願わずにはいられない。ただ……
隠れモーオタだった筆者は(べつに隠してはいないが)、ASAYANでのオーディション時
から、つまりすでに一人も残っていない1期の娘。たちのデビュー前から見守ってきた
ウォッチャーのポリシーとして、基本的にいわゆる〈推しメン〉は持たない。娘。は
つねにその時の全員が揃ってこそ娘。であり、誰はよくて誰は要らないというような
考えはありえない。その意味で、真のエース不在で落ち目の戦犯扱いされてきた5期
6期メンバーを平等に愛してこその娘。ファンだと思っている。そんな季節の象徴的
存在だった小川紺野の今の時点での抜けは、途轍もなく大きい。そして何よりも、
唯一の娘。ウォッチングの窓口だった「ハロモニ」を地元局がOAしなくなって実は久しい。
すでに何かが陥落している。あの二人とともに自分も卒業したかもしれない?