密約?

今日付けのある報道。

任期満了まで約１００日となったブッシュ米政権は、外交のレガシー（遺産）づくりのため、かつて「悪の枢軸」と非難した北朝鮮をテロ支援国家から外した。日本政府の抵抗で、１日ずれ込んで週末の１１日に発表したが、米朝間では１０日解除との「密約」があったとの説が、６カ国協議参加国の間では流れている。(以下詳細→)http://sankei.jp.msn.com/world/america/081014/amr0810142102004-n1.htm

同じ共和党のマケインからすら批判されてしまうような北の指定解除なんてことをなぜブッシュが今あえてやるのか、となれば｢密約あるんじゃない?｣とは誰だって真っ先に思うだろう。でも密約となればやる双方が何かしら得することがなきゃ意味ないはず。北のほうは解除されれば各国から支援受けられたり世界銀行から金借りられたりできるようになるらしいから判るが、じゃ米側の〈得〉って何?　この記事みたいにただ｢外交のレガシー｣なんていうブッシュの見栄のためだけ? そんなことはないんじゃない? もっと物理的な──それも思い切りどでかい──〈得〉がなきゃおかしいでしょ?…

…そこで詳しい人たちのブログ覗いてみると、どうやらその答えは〈イラン〉らしい。つまり北は昔からイランと仲がよくて、核兵器自体やその原材料をよく売り買いしてる。だから米がもし解除してくれれば北はイランに核の原料売るのやめると。どういうことかというと、イランは今、というか大分前からイスラエルと一触即発の状況にあって、核攻撃ちらつかせてイスラエルをそれとなく威嚇してるし、イスラエルのほうもイランが核開発でちょっとでもキナ臭い動きをしようものならすぐにでも攻撃しかねない。それをイスラエルと一心同体である米が｢まあ待て｣と嗜めてやっと止めてる感じ。そんなイランが核を作れなくなれば、米は最大の同盟国イスラエルを戦禍から守れることになる。あとは核を持てなくて弱くなったイラン現政権をじっくり切り崩して、イラクみたいな傀儡政権に変えちまえばいい。つまり米は中東情勢を思いどおりにするために、どうでもいい極東情勢なんかほっぽり出して北と密約してもいいと踏んだというわけだ。つまりそれは日本や韓国の拉致被害者なんかどうでもいいから、とにかくイスラエルを守るのが先だと踏んだってことと同じだ。言い換えれば、拉致被害者は米の中東政策に知らないうちに利用されちまったってことだ。…

…ところがそれに輪をかけてヤバい裏事情があるらしい。それは、テロ国家指定が解除されると北はアジア開発銀行というところからも巨額の融資を受けられるようになるってこと。この銀行はマニラに本部があって日本人には馴染みがない──というよりほとんど知られてないが、実は総裁は代々日本人で今もそう。しかも融資資金の大半は日本が出してる。つまりわれわれの税金だ!　ここで問題なのは総裁は日本人だが副総裁がアメリカ人だってことで、総裁が北への融資OKのサインを出さざるをえなくなるのは時間の問題となる。これはどういうことか──麻生首相は｢解除ぐらいで日本の態度は変わらない｣といってるけどそれは表向きで、裏ではわれわれの知らないうちにナントカ開発銀行からの融資なんて形で北に血税を貸してやる＝〈くれてやる〉って仕掛けになってるってことだ──われわれの家族を拉致してる国にだ!　つまり日本は人質の奪還どころか、その目途も立たないうちにまんまと身代金だけせしめとられるはめになったというわけだ──今回の米朝密約によって。…
さらに巧いことには、米に端を発する経済危機の報道で北の解除の件はどっかに吹っ飛んじまってるし。…