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ごく大雑把にいうと、オリックスというのはメリルリンチ(=バンク・オブ・アメリカ)の出先機関というか日本営業所のようなものらしい。だから当然オリックス(=宮内義彦)は日本の簡易保険をそっくりアメリカ金融界に譲渡(一応貸付や利権化という形をとる)するために時の小泉首相に指示して郵政を民営化させた。つまり小泉はバンク・オブ・アメリカ(以下バンカメと略)の日本営業所が一時的に雇った派遣社員のようなものだったわけだ。でバンカメはついでにかんぽの宿にも目をつけた。そっくりいただくつもりだった簡易保険の一部で作られた資産だから、当然それもいただかなきゃ損だと思ったわけだ(しゃぶり尽くすともいう)。そこで営業所長の宮内に指示してかんぽの宿をロハで払い下げさせることにした。でロハで手に入れたらそれを超高額で転売させて、濡れ手で粟の大枚を本社(バンカメ)に送金させる──つもりだった。しかし小泉に煮え湯飲まされてきた官僚(or官僚OB)が、倒れる前の麻生内閣にせめて一仕事させようってことで、かんぽの宿をネタにバンカメ営業所(=オリックス)叩きに出た。ついでに同根(財界ネオリベ)の御手洗経団連会長をも大分スキャンダルで潰しにかかった(宮内は同副議長)。つまり「かんぽ・大分・反対だった発言」は官僚が仕掛けた連動する反米3点セットだった。近々誕生する民主党政権大きな政府=反米路線で大体麻生政権と大差ないだろうから、そこに官僚復権という要素も加えれば彼らはふたたび安泰となるわけだ。そんなタイミングでいきなり米国務長官が来日して急遽首脳会談の約束をとりつけたのは、「まずい、ここで日本を懐柔しとかなきゃ」ってことで米財界がオバマを動かしたのかもしれない。しかし麻生は花道とばかりに気をよくするかもしれないが所詮傀儡、操り手である官僚がたやすく懐柔されるはずもない。元々民営化といっても逆に天下り隠しになるだけで(情報公開法が利かない)彼らには却って都合がいい。かくてアメリカが小泉を使って仕掛けた日本乗っ取りは官僚の巧みな応戦によって民主党政権誕生と同時に失敗に帰する。民主党といっても実は官僚OB議員が多い党だから、まだまだ官僚裏支配が続くだろう。穿った見方をすれば、麻生は官僚の意向により民主党に政権を譲りやすくするためにわざと支持率を下げたのかもしれない?!