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『野村胡堂伝奇幻想小説集成』末國善己編

末國善己氏より『野村胡堂伝奇幻想小説集成』(作品社)を頂戴しました。

https://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/nihon-bun/tanpin/22421.htm
これまた大冊でしかも1000部限定、1冊7140円(税込)の豪華本!! 「『銭形平次』の生みの親・野村胡堂による、入手困難の幻想譚・伝奇小説を一挙集成! 事件、陰謀、推理、怪奇、妖異、活劇、恋愛……昭和日本を代表するエンタテインメント文芸の精髄」(帯の惹句より) 「胡堂は人情派の捕物作家という印象が強いかもしれない。だが『銭形平次捕物控』の連載を始める以前は、(中略)怪奇、探偵、伝奇小説の名作を数多く残している」(「編者解説」より) 目次を見るといきなり『奇談クラブ』とあるので一瞬ドキリとするが、しかし伝説の雑誌『奇譚クラブ』に胡堂が連載してたとかいうわけではなくて、これが胡堂自身の連作伝奇小説のタイトルなのだ。本書収録作の半分以上(17作)を占めるそのシリーズはホラー・推理・都市伝説・異常心理とバラエティ豊かとのことで興味をそそる。また単品作品群も「百唇の譜」「裸身の女仙」「黄金を浴びる女」「芳年写生帖」「天保の飛行術」「猟色の果」「幻術天魔太郎」等々タイトルからしてけれん味たっぷりにして煽情的。また末國氏は本書と同趣向の胡堂発掘作品集としてやはり作品社で既に『野村胡堂探偵小説全集』(07年)も編しており、さらにはここ→ttp://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20081224で紹介した『奇譚・銭形平次』(PHP文庫)もテーマ的に通底すると思われる。
にしても、末國さんからいただいた作品社の本を合わせると10万円ぐらいになるんじゃなかろうかひょっとして?(汗)…げにありがたくも申し訳ないかぎり…m(__)m
野村胡堂伝奇幻想小説集成 野村胡堂探偵小説全集