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『高原のお嬢さん 』

近頃見たレトロ系邦画を5作ばかり。
まず『高原のお嬢さん』(1965日活)。舟木一夫の同題のヒット曲からの歌謡映画。共演和泉雅子山内賢堺正章、監督柳瀬観。舟木の歌『高原の…』が子供の頃大好きだったので、たまたま蔦屋で見かけた舟木映画数作の中から即借り。友情との板挟みになる悲恋を描く日活お家芸の王道青春物。歌手としては繊細なイメージの勝ってた舟木だが、どうして演技は貫禄すら漂う堂に入りっぷり。御三家の令名は伊達じゃない。でもDVD返しに行ったら舟木映画はもう全部撤去されてたorz。さすがに借り手に乏しかったんだろうな。

ってことでこれ↓は映画の元歌『高原のお嬢さん』。名場面に巧く歌唱を被せ、しかも歌詞までついてる秀作映像。


次はガラリと変わって『黒の超特急』(1964大映)。主演田宮二郎、監督増村保造。同じ梶山季之原作の『黒の試走車』(1962)に始まる「黒」シリーズの最終作。『試走車』では高松英郎が主役を食う怪演を見せてたが、この『超特急』では加東大介のワルぶりが目を瞠らせる。シリーズ最高作といわれてるらしいが、2作しか見てないので個人的には何ともいえない(『試走』もナカナカだし)。因みに下↓の写真左端の藤由紀子はのちの田宮夫人。


同じ増村保造監督の『妻は告白する』(1961大映)。何といっても主演若尾文子の妖しさが見どころ。殊更な濡れ場や肌の露出があるわけじゃないのにこのエロチシズムを醸せるのは凄い。のちの探検隊長川口浩の翻弄される好青年役や名優小沢栄太郎のDV夫役もハマってる。


昭和の二枚目高田浩吉主演の股旅物『名月佐太郎笠』(1955新東宝)。「日本名画遺産」シリーズの安価DVDが半額ぐらいで投売りされてたのを拾い買い。白黒映画。硬骨漢浅間の佐太郎(高田)が帰省途中に御落胤騒動に巻き込まれる痛快娯楽作。高田は勿論喉も聴かせる。大女優池内淳子の可憐な娘役ぶりもいい。他に津島恵子田崎潤共演、監督冬島泰三。肩の凝らなさ加減が何ともいえない。


『若親分』(1965大映)。唯一安く手に入れたVHSで見た。市川雷蔵主演の「若親分」物の第1作で、シリーズ中これのみ近年DVD化されてる。 共演佐藤慶朝丘雪路藤村志保。当初は抗争に巻き込まれる浪曲師役で出てる三波春夫が目当てだったが、見てみると先日物故した佐藤慶の凄み満点の敵役ぶりに圧倒された。エリート海軍士官が極道を継ぐ設定から『ゴッドファーザー』の先駆と見る向きも。監督池広一夫。因みに三波は浪花節一席で美声を披露してる。

若親分 [DVD] 名月佐太郎笠 [DVD]  STD-118 妻は告白する [DVD] 黒の超特急 [DVD] 高原のお嬢さん [DVD]