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桑名正博


桑名正博というと、個人的にはここ→http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20090806で触れたように連ドラ『となりの女』での大原麗子の夫役が忘れがたい。派手なコスチュームに蓬髪といういでたちでワイルドなロック歌謡をお茶の間に響かせた全盛期から一転、七三分けに眼鏡にワイシャツ・ネクタイというあまりにも典型的なサラリーマン亭主を演じたが(但し口髭を生やしてた)、それがわざとらしくなくてひどく新鮮でカッコよかったという印象が強く残ってる。俳優としては新米なのにいきなり大女優の相手役抜擢で、実は緊張しまくってるらしい感じがブラウン管越しに滲み出てた。といっても歌で売れなくなったから仕方なく鞍替えしたなんていうような零落感は全くなく、むしろとても溌剌としてたことはたしかだ。あのドラマでの経験がいい思い出になってるらしいことは、上の日記でも触れたように後年の言葉から窺い知れた。気がつけば范文雀も大原も既に亡く、『となりの女』もいつの間にか遠くなってしまった。
ところで「セクシャルバイオレットNo.1」は『ザ・ベストテン』を通じて結構好きで、中学時代の同級生が集まったとき(クラス会じゃないが)歌でも唄うかという話になって(といってもカラオケもまだあまりない頃なので素で唄うってことだったが)、おいらがいきなりあの曲を唄いたいと言ったら「キャラってもんがあるだろ、やめとけ」となぜか周りが慌ててたしなめ結局唄わずに終わったという微妙な経験がある。あれは惜しいことをしたなとその後もずっと思ってたが、そういえば以後カラオケでも一度も採りあげたことがない。今度こそ是非試してみたいものだ。





ご冥福を祈ります。





























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