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わが偏愛的女優痴話1

富江 [DVD] 東京伝説~蠢く街の狂気~ [DVD] メノット [DVD] DVD>メノット遺言覗かれた別荘 (<DVD>)
メノット』を見た記念?に及川中監督作三品。
ドラマも映画も女優目当てでしか見ない(気に入りの女優が出ていればどんな駄作でも
まったくオッケー。というより駄作と傑作の区別などない)筆者なので、言わずと知れた
富江』は言わずと知れた菅野美穂。『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』で
幕をあけた菅ちゃんホラーは『催眠』を経てここにいたるわけだが、演技力とか
よく言うけど(ちなみに筆力・歌唱力と並んで筆者の好きじゃない〈力〉言葉の一つだ)、
菅野の怖さは演技じゃないから怖いんだよね。魂の底からしてすでに怖いんじゃないか
とさえ思える。あいつはなにかとんでもない怨みを持ってるよ、前世からの?
今度TBSのお正月ドラマ『里見八犬伝』で怨霊となる毒婦玉梓をやるらしいが、
これ以上ない適役だろう。今からもうワクワク怖い。
『東京伝説〜蠢く街の狂気〜』は国分佐智子。国分と言えばワンギャル出身だが、
ここまで堂に入った女優になるとは思わなかった。釈由美子に次ぐ出世?じゃないかな。
で、これは物凄い傑作。怖さではある意味『富江』以上。しかも国分がとんでもない
大熱演。ある意味『牛頭』の吉野公佳にも匹敵するぐらい自分を棄ててる。
で例によってアマゾンでの一般レビューが★一つで、とんちんかんなくせに「演出がタコ」
とか生意気なこと書いてたので、頭にきて、つい「タコはてめえだ!」と初めて
レビューを書いてやった。そういうこと書いちゃいけないらしいんだけど、なぜか
載っちまったからしょうがないよね。
で今度の『メノット』にも国分は出ていて、主演は藤本綾だがほとんどダブル主演と
言っていい。『東京…』で及川に買われたんだろうな。ただしこの作はもっぱら
〈あの〉藤本綾のヌード&ベッドシーンが拝める、しかも彼女の芸能界引退記念作と
いうことで前評判(といっても一部の奇特なアイドルおたくの間でってことだけど)を
とった。〈あの〉というのは彼女を巡ってあるスキャンダラスな出来事があって、
そのショックからすでにほとんど引退同然になっていたのだが、ファンの復帰待望や
(おそらくは)本人の懊悩もあった末に、この映画をけじめとした、ってことじゃないか
と推測される。で、ここでの藤本綾はすごくいい。ヌードとかそういうこと抜きにしても。
昔テレビで見たときの、芸能界不向きと思えるほどのすごい低テンションぶりからは
意外なほど、ここでは完全にふっきれてる。……海辺の別荘に住む美人姉妹。そこに
迫る危険な男の毒牙(金子昇がバラエティで見せるひょうきんな感じとはガラリ
変わってていい感じ)……『東京…』でのめいっぱいのグロテスクさとはちがう
ちょっとスタイリッシュ?な方向だけど、底辺の及川節はなにかある気がする。
藤本綾、あまり気になる人じゃなかったんだけど、もったいないな、これ見たかぎり。