わが偏愛的女優痴話6 内山理名
思いがけずCX『サイエンスミステリーそれは運命か奇跡かⅣ』の司会が内山理名だったので、
記念に内山理名。初めて存在を認知したのはTBS日曜劇場『なにさま!』だった。主人公
岸谷五朗のちょっと横紙破りな女子高生の妹という役で、その新鮮な存在感に、なんなんだ
この子は! という衝撃を受けた。おそらく世間的にもこの作で注目され、以後安定した
演技力で十代にもかかわらずドラマ界の常連となる。しかし素のキャラクターの意外なほどの
地味さと低テンションがわざわいしてか、連ドラでは2番手3番手が多く、主演となると
昨年の『大奥〜花の乱〜』まで待たねばならない。またその『大奥』でも「重荷じゃないか」と
一部で言われたり、共演女優が「なんであの子が?」言ったとかいう噂(あくまで週刊誌ネタの
噂だが)があったりした。なんとかこなしたようだが、視聴者の声を聞くとたしかに共演陣に
食われてた部分もあったようだ。またスペシャル系のドラマとかオムニバスドラマなどの
単発出演が異様に多いのも特徴で、それも安定した力を買われてのこととは言えるが、
年齢を重ねても同じ状態でずるずる行くと、便利に使われるだけの脇役女優という位置に
埋没しかねないから、このへんでひとつ殻を破る飛躍を見せてほしい(『大奥』にそういう
意味があったのかもしれないが、実は筆者はこのドラマを見ていない。事前に知った筋立ての
あまりのエグさに恐れをなしてしまったためだ。情けないことにエグいのに弱い)。
以下主な連ドラ。『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』ではタッキーを深キョンに
とられる役。『元カレ』では堂本剛を広末にとられる役。『GOOD LUCK!!』ではキムタクを
柴咲にとられる役。大河『武蔵MUSASHI』では海老蔵を米倉にとられる役。『ハンドク!!!』では
長瀬と研修医。『ルーキー!』では光一と刑事。『ファイアーボーイズ・め組の大吾』では山田と
消防士。月9『バスストップ』では内村の妹。『美しい人』(未DVD)では田村の娘。
『QUIZ』では財前の幻覚に現われる謎の少女。ほかに朝ドラ『すずらん』(未見)、テレ東
時代劇『竜馬がゆく』(未見)など。主な単発では『星野仙一 物語』(未見)で石橋の娘、
『樋口一葉物語』で主役一葉、『かまいたちの夜』で主演など。オムニバスの代表作は
『学校の怪談 呪いスペシャル』の「アサギの呪い」。これはかなり怖い。『新耳袋』では1と2で
主要エピソードをやってる。
映画では最近作で初主演作『深紅』(故野沢尚遺作)が熱演だった(公開時観覧)が、残念ながら
賞関係等では採りあげられなかった。『サトラレ』(公開時観覧)では新米女医。『GO-CON!』は
つんく♂プロデュース(未見)。『卒業』(未見)では噂の堤真一と(武蔵、GOODLUCKでも
共演)。『手を握る泥棒の物語』(未見)は乙一原作。オムニバス『Jam Films s』(未見)
ではスネオヘアー(長岡出身)と共演。また今年『新耳袋』シリーズ劇場版新作で主演するようだ。
ところで『サイエンスミステリー』でも司会ぶりはなかなかよかった。なにをやっても安定
するが、やはりもうひとつ上を狙いたい。ちなみに現在ブレイク中の堀北真希は同じ事務所の
後輩だが、すでに勢いにおいてその地位を交替されつつある(『深紅』では内山の少女期を
堀北が演じている)。
最後に、内山理名は筆者がここ三年ほど毎年カレンダーを買っている唯一のタレントである。