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Splurge

あゆみ―PUFFY
W杯の話はもうしたくない。都合が悪くなったらすたこら逃げるが勝ち。


なんてな。


そこでPUFFYの最新オリジナルアルバム『Splurge』。
スプラージというのは辞書見ると、自慢すること見せびらかすこと札びらを切ること、
カネを湯水のように使うこと、とかあるから、要するに贅沢ってことだな。たしかに
これは見るからに今までになくカネかかっていそうな感じだ。まず作家陣がすごい。
久々の草野正宗奥田民生、お初の甲本ヒロト斉藤和義横山健がそれぞれ1曲ずつ
提供していて、久々陣はダレることなく安定してるのがいいが、なんといっても
今回いいのはお初陣だ。斉藤和義は吉村のソロ曲「らくだの国」だが、これがなんとも!
モロ月の沙漠の幻想世界だが、斉藤和義力入ってるわ〜、たぶんお互いファン同士
ってことで、並々ならぬ意気込みが感じられる。大貫ソロの「Security Blanket」が
横山健で(横山剣ならもっとすごいが、さすがに)、例によって大貫の自作英語詞で、
これがまた例によって彼女の鼻持ちならない生意気さが前面に押し出されてていい
感じだ。甲本のは「モグラ」だが、これは奥田提供の先行シングル「モグラライク」の
カップリングで、両曲偶然モグラでかぶったという嘘のようなほんとの話らしい。
がそれ以上に、「モグラ」ってテーマで出すってこと自体売る意志がまるで見えない
わけで、それがまたなんともらしい。あとは今やPUFFYといったらこの人って感じの
アンディ・スターマーが3曲と多く、そのダチの無名のスウェーデンのバンドに
作らせた曲なんてのもあるので、もう欠かせないメインプロデューサーになった感じだ。
あと革ジャンロックの雄ギターウルフのセイジが書いた詞に大物ジョン・スペンサー
曲をつけたという「女マシンガン」てのが、PUFFYとの取合せのすごさというのもさること
ながら、こういうのが実はハマるんだな昔から。あとアヴリル・ラヴィーンに書いた
こともあるというブッチ・ウォーカーという人の「Radio Tokyo」(オープニング曲)とか、
キース・リチャーズのバンドのドラマーの人が奥田の補作で書いた曲なんて変り種も
あって、もう盛り沢山。しかもハズレなしだな今回も。
やはりPUFFYは希有な器だったわい。
ただ、ライナーノート裏の渋谷陽一の総解説がどうもね、おれに言わせればいまいち
わかってないんだな。でもそれ言うとまた長くなりすぎるから後日にしよう。
アマゾンにはまだジャケ写画像がないので、代わりに先頃出たデビュー10周年
記念本の絵を上に。