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まつのき小唄ビートルズ

ステレオ録音による全曲集 <COLEZO!TWIN>フランク永井 西田佐知子 ベスト10 ロス・インディオス ベスト10
お盆ということでだろう、14日15日にそれぞれ「昭和歌謡大全集」「名曲ベストヒット歌謡」
という3時間番組があったので、録画して鑑賞した。どちらもテレビ東京のを
民放ローカル局が買ってオンエアしたもの。こういう番組はやはりテレ東がずば抜けて
手堅い。前者は例によって玉置宏のメイン司会にさまざまなコーナーを絡ませた
バラエティーに富んだ構成。後者は昭和35〜44年の各年のリクエスト上位5曲を網羅。
だらだら書き並べると書ききれないので、ごく掻い摘んで収穫を挙げれば、
前者ではフランク永井「霧子のタンゴ」橋幸夫「江梨子」竹腰ひろ子「東京流れ者」などを
久々に聴けたのがよかった(とくに3番目!)。大津美子「東京アンナ」をたぶん初めて
聴けたのもよかった。後者では、まず初っ端にいきなりきた井上ひろし「雨に咲く花」
に痺れた。たぶん初めてちゃんと聴いた(1番だけというのが惜しい)。
西田佐知子「アカシアの雨がやむとき」。定番曲だが、西田佐知子の姿をずっと捉えた
PVめいた作りの白黒映像がすばらしい。ジェリー藤尾「遠くへ行きたい」。久々に
聴いたが、しかも過去映像ではなくスタジオ歌唱。曲の終わりごろにはご当人が
感極まってうるるんになっていた。二宮ゆき子「まつのき小唄」。これはもう久々なんて
もんじゃない、当時でも本人が唄ってるところなんて1、2度見たか見ないか。
これまたスタジオ歌唱だったが、こちらは過去映像も見たかった。
バーブ佐竹「女心の歌」。この人実は「ネオン川」などヒット曲がいくつかあり、けっこう
大物だったと思う(「子連れ狼」の歌というと橋幸夫のが有名だが、バーブの「ててご橋」
のほうが妙に凄みがあっていいし)。城卓矢「骨まで愛して」も久々で感激した。
それからこちらにも「君恋し」(レコ大)や「夜霧の第二国道」などが入ってるフランク永井
ほんとに大歌手だと実感させられる。圧巻はロス・プリモス、ロス・インディオス、
東京ロマンチカによるムード歌謡競演。とくにロス・インディオス「コモエスタ赤坂」が
よかった。すぐにでも唄いたくなった。


今日(21日)は月曜ゴールデン「窓際太郎の事件簿14」は録画し(国分佐智子を見るため)、
たまたまやってたNHKビートルズの103時間」を覗いた。いろいろ面白い証言があった。
かまやつひろしは、ザ・スパイダースに前座の依頼があったが事情で泣く泣く断ったと
いう。だが客として観にいったら、前座は音量などいろんな面で差別冷遇されてたので、
断ってよかったと。その意味でビートルズには悔しさもあると。ちょっと意外だ。
スパイダース時代のムッシュがテレビでたまにボーカルとってた「デイ・トリッパー」
なんかがすっごくかっこよかったのを憶えてるせいか、無条件な賛美派じゃないかと
なんとなく思ってたから。仲井戸麗市はマセた高1だったから上京して公演観た口だが、
あとで学校でその話で盛りあがれる友だちはせいぜい2、3人で、みんなそうだったはずだから、
ビートルズが日本中を席巻なんていう煽りは嘘だと思うと。たしかに(とはいえ、
20万人のチケット希望者があったというのは紛れもない事実だろうけど)。どちらも
意外なほど醒めた目線があって思わず好感を覚えたが、ムッシュと仲井戸の
間には当然ながら微妙な(あるいは大きな)差がある。ビートルズ来日以前から日本の
最前線でやってた前者の自負と、素人のファンとして純粋に影響された後者。
どちらがどうというんじゃなくて、よくも悪くもその差の中に何かありそうだなと。
少なくとも、たまにいる「ビートルズを聴かずしてロックを語るな」なんてたわごとを
言うやつほどビートルズから遠い存在はないという確信が一層強まったのは確かだ。