.

コパカバーナの誘惑

natsukikenji2007-01-26

ジャック・ケッチャムやチャールズ・ストロスの翻訳家・金子浩氏からミルトン・バナナ・トリオの『コパカバーナの誘惑』のCDがヤフー・オークションに出てるとの情報を教えてもらい、お陰でラッキーにも入手することができた(金子さんありがとうございました)! 早速聴いてみると──きたきたきたきた〜〜〜!!!──という感じで、これぞ紛れもない、かつて耳を虜にしたあの女性コーラス付きミルトン・バナナのまさに『誘惑』に間違いない! ほんっっっとにこれほど素晴らしい音楽はないよ。もう耳に入ってきた瞬間から、おれはジャケットの絵とおんなじにコパカバーナで褐色の美女と一緒にバナナの皮の中に寝そべってた……といってもほんと過言じゃない。
12トラック収録されてるんだが、1トラックに2曲ずつ入ってて、最後の12トラック目のみ同テーマのが5曲メドレーで入ってる。ただ最後以外のもメドレーっぽいというか1曲目と2曲目の隙間がないため、素人の耳にはいつ別の曲に切り替わったのか判りずらいことがままある。各曲の邦題というか訳題がちょっと面白いので、全部書き出してみる。
1.モサ/私は1万年前に生まれた 2.10まで数えて/ポーラ・プラ・フレンチ 3.神は与えるものを持っている/海辺にて 4.あなたとどこまでも/あなたが望むなら 5.モーロ育ち/君はただの女 6.私のスルド/愛のサンバは永遠に 7.我が友カヴァキーニョ/去りし愛へのサンバ 8.ラテン・ラヴァー/天才は協調しない パルチデイロの遺言/キタンデイロ 10.静かな海/フズエ 11.サンバ・セン・クイーカ/アルマジロは地下鉄技師 12.モーロのメドレー(モーロのアヴェ・マリア/モーロ生まれ/水の入ったブリキカン/ラウリンド/オ・モーロ/モーロの声
曲はどれもよくて、これはちょっと要らんなーというようなものはまずないんだが、とくに気に入ってるのは5曲だ。1の「モサ」、3の「神は与えるものを持っている」、4の「あなたが望むなら」、5の「私のスルド」と「愛のサンバは永遠に」だ。「モサ」はとろけるようにスローに来て痺れっ放しだし、「神は…」はこれが一番よく憶えてたスコーンと脳に来るやつだし、「あなたが…」はこれぞサンバってな調子のパーカッションと合いの手(?)乗りまくりの土俗調だが、真骨頂は「スルド」と「愛の…」のピアノとコーラスの絶妙きまわれる悩ましさだ。ただこの「スルド」と「愛の…」の曲の分かれ目が一番判りにくい。なんか同じメロディーがずっと続いてるようで…まあたぶんピアノのみの部分とコーラス入りとで区別するんだろうが。
それと解説を読んで知ったことの一つは、このアルバムは実はほとんどがカバーだということだ。そこが無知の悲しさだが…たとえば「モサ」は「日本でもよく知られてる」というワンド(Wando)の曲だそうだが、調べてみるとこのワンドって人の個人アルバムは今はほぼ全部入手難っぽい(名曲集などを別にして)。あと「愛の…」は大物女性ボーカリストアルシオーネ(Alcione)のしかも大ヒット曲とのことで、こっちは早速ベスト盤を発注した。
それと、この『コパ…』(『サンバ・エ・イッソ』)の続編のつもりで『サンバ・デ・ボッサ』ってのを先頃買ったわけだが、どうもこれが勘違いで、正しい続編は『Tipo Exportacao(ティポ・エクスポルタカオ?)』ってやつのほうらしい(上掲のジャケットがそれだ)。『デ・ボッサ』のほうはそもそも『コパ…』以前ので、ピアニストも違う。
ってことはこの『ティポ…』こそ『コパ…』と同調のコーラス入りなんだろうな、こりゃまた買わねば…と思ったら案の定、これも日本でも海外でもとうの昔に手に入らなくなってたorz またヤフオク待ちか。しかしこれはもっと出回りにくいだろうな。