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「ばら」の思い出

natsukikenji2007-11-25

テレ朝『点と線』前篇を見始めたら、冒頭で池内淳子宇津井健が東京駅のレストランで落ち合うシーンを見て、ハッと思った。昔駆け出しの頃、知り合って間もなかった故大村美根子さんに教えてもらった店だ。つまり一度だけ大村さんとデートしてもらったときのことだ。あの頃上越新幹線はすでに上野から東京駅終点に変わってたとは思うが、こちらがきっと東京駅の何たるやもよく知らないに違いないし、それにたぶん一番都合のいい場所でもあるだろうということで、大村さんが気を利かせてくれた(予約してくれた)のだと思う。店内のレトロな雰囲気が何とも印象的だった。たしかに今に至るまでよく知らずにいたが(というかそのとき大村さんが色々教えてくれたはずだが忘れてる)、煉瓦駅舎の南側半分の2階と3階が東京ステーションホテルになっていて、そこのレストランがこの「ばら」という店である(であった)らしい。レストランというようなところは元々苦手ではあったが(そもそも苦手じゃない飲食店といえば喫っちゃ店ぐらいのものだが)、大村さんのお陰であまり緊張もせず楽しく過ごせた。だがそれ以後一度も再訪しないでいるうちに、現在は駅舎&ホテルともども改築工事で休業中とのこと。閉店前は大入りだったらしいが、残念なことをしたような気がする。せめて営業再開したらいってみよう(まだ大分先らしいが)、大村さんを思い出しつつ。
でドラマ『点と線』での老カップルは主人公の刑事ビートたけしの娘内山理名と警視庁捜査二課高橋克典の現在の姿という設定なわけだが、してみると収録は改築着工前にやったわけだから、下手すると一昨年なんてことになるんじゃないか?……
それはともかく、ドラマは二夜連続。柳葉敏郎が珍しくも悪役なので、同じテレ朝の『黒川の手帖』思い出したが、ただあちらは根っからのワル、こちらはやむにやまれずという差はある。少し展開がじっくりしすぎてるとも思えるが、慌しいばかりのが多い昨今のテレビの中で、たまにはこういうのもいいものだ。原作を読んだのは70年代だが、あのメイントリックの印象はずっと残ってる。
(写真は小さくて見づらいが旧「ばら」の入口)