残虐行為は都を駆ける!
ようやく一段楽してホッと息をついたので(ほんとは遅れて迷惑かけたりその他もろもろだったりでそうホッとはしちゃいられないんだが)、久しぶりに更新を。ということで、前回以降に頂戴した本を紹介させていただきます(若干補遺あり)。
まずコミックで、河内実加『妹と恋人の間』。シャロン・ケンドリック原作のハーレクイン。ヒロインのキャラ&絵柄ともに超可愛い。昔シルエット系に関わってたので懐かしさもあり。因みにこの作者の名作『弥生!!』全巻が最近復刊とのこと。おいらは古本で入手したが^^;。
小説の和物で、我孫子武丸『狩人は都を駆ける』。伝説の超絶作『ディプロトドンティア・マクロプス』の前日譚で、洒脱なペット・ハードボイルド(?)連作集。コミック化でもいけそうなユーモアと読み易さ。
ってことで実際に我孫子武丸原作・坂本あきら画のコミックなのが『探偵になるための893の方法1』。情けな系主人公がとんでもない探偵屋に雇われるギャグ本格ミステリ。因みに↑と帯で宣伝し合ってるのが巧い(版元は別)。
菊地秀行『邪神迷宮』。伝説の(これまた)『妖神グルメ』ヒーロー内原富手夫復活! この作者にして意外にも数少ない本格クトゥルーものミーツ魔界都市。感涙。
飯野文彦『黒い本』。ホラー・ケータイ小説文庫化。怪奇作家井之妖彦(!)。『バッド・チューニング』といい、このところ俄然注目作家。
飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』。本格ミステリながら怪奇オカルト風味横溢らしく期待大。
末國善己編『山本周五郎探偵小説全集』の『3怪奇探偵小説』『4海洋冒険譚』『5スパイ小説』。その幅広さに驚くが、すべてに冒険小説趣味濃厚の模様。驚くのは刊行の迅さも!
『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』。あまりにそのままなタイトルだが、内外の幻の名作多数収録、中でも個人的注目は乾敦。昔一度だけ会ったことのある伝説のワセミス者。
洋物で、アレン・カーズワイル『驚異の発明家の形見函』上下(大島豊訳)。評判作の文庫化。
『ラヴクラフト全集・別巻下』(大瀧啓裕訳)。前に紹介した共作集続篇。ついに全集完結!
リチャード・マシスン『アイ・アム・レジェンド』(尾之上浩司訳)。大ヒット・リメーク映画原作の新訳。
チャールズ・ボウモント『残酷な童話』(仁賀克雄訳)。快進撃の論創社ダーク・ファンタジー・コレクション。
ディーン・クーンツ『対決の刻』上下(田中一江訳)。ベストセラー作家久々の大作。
チャールズ・ストロス『残虐行為記録保管所』(金子浩訳)。ギョッとするタイトルだが、難解科学と魔術が混在したなんとクトゥルーSF新シリーズ! 新たな地平が拓けそうな快挙。
マイク・ミュレイン『ライディング・ロケット』上下(金子浩訳)。スペースシャトル飛行士の自伝にして宇宙開発ドキュメンタリーにして下ネタ満載(!)という面白ノンフィクションの模様。
にしても金子氏といい田中氏といい大瀧氏といい日暮氏といい、おいらのまわりの翻訳家諸氏はなんでこんな仕事の速い人たちばかり?