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『新潟の写真家たち』or濱谷浩

natsukikenji2008-03-16

『新潟の写真家たち─百年のまなざし』於県立近代美術館08/2/15〜3/30
色々あるんだけどごちゃごちゃ書いてもアレなので、とくに目についた濱谷宏という人をピックアップ。凄く有名で国際的にも評価の高い写真家らしいが、そっちにはまるで疎いので名前すら知らなかった。新潟出身というわけじゃないがなぜか雪国とか裏日本というものに魅せられてそっち系の風土・風景写真を沢山撮ってる人とのことだが、その一方で著名人の肖像写真も数多くやってて、それがまたどれも構図が独特だったりして目を惹かれた。とくにこれは有名なやつらしいが棟方志功ので、何しろ顔が写ってない。下駄履きに浴衣っぽい格好で後ろ向きに野っ原へ駆け出していくといった図。どこかの温泉旅館にでも泊まって散歩に出たときのショットででもあるんだろうか。これは棟方志功だよといわれなきゃ誰にも一目でそうとは判らないだろうが、逆にそうと判って見るとあの破天荒な版画家の(つっても棟方自体よく知ってるわけじゃないが、昔この人のドキュメンタリー番組で印象的なのを見たことがあった)作風とか生き方までがパッと連想されるような気がするのが面白い。他にはやはり新潟での開催だからか坂口安吾會津八一堀口大学(長岡)・松岡譲(長岡)らの写真が目についた。
ところでこの濱谷という写真家、そんなに高名だという割には作品集などが新刊では全く売ってないようで、アマゾンとか覗いても全てかなり高額の古書でしか手に入らず、あと復刊.comにリクエストされてたりヤフオクに高値で出てたりもする。せめて代表作らしい『雪国』(毎日新聞社・古書価4万)『裏日本』(新潮社・九万!)『學藝諸家』(岩波・これのみ比較的安価)あたり復刊すればいいのに。