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グレート草津


グレート草津といえば、中学生の頃欠かさず見ていた国際プロレスの中継で故サンダー杉山とともにエース格だった──と自分では思っていたが、今経歴とか評価とかをあれこれ見てみると、どうも悲運とか不遇とかいった言葉や印象が先に立っているようだから、ひょっとするとあの頃の記憶は子供心の思い込みが大きかったのかもしれない。でも少なくともストロング小林ラッシャー木村の台頭(どちらも海外修行して強くなってきたという触れ込みだったと思う)以前には草津と杉山が国プロを支えてたってのはたしかじゃなかろうか。彼ら2人は片やすらりとした二枚目型片やユーモラスなアンコ型で、凸凹コンビというわけじゃないがそんなビジュアル面でも互いを補い合っていてよかったという印象がある。その両雄がついにどちらもいなくなり、小林・木村もとうに実戦を離れていて、国際プロレスはいよいよ遠くなった。上に載せた『東スポ』の写真はルー・テーズ戦(68年)で敗れたあと健闘を讃え合ってる図。この試合も見てるんじゃないかと思うが、明確な記憶や脳裏の映像とまではなっていないのが残念だ。『東スポ』は大きく紙面を割いて、よき時代のヒーローを偲んでいる。ご冥福を祈ります。