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軍師のイレギュラーズ

    暮れ迫り年のくれよりカネをくれ



…というわけで、暮れきらないうちに贈ってもらった本を紹介させていただきます。この時期以後ですが→http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20080731 http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20080726  http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20080724 結果的にほぼ10月以降刊行のものに集中しています。やはり一番沢山本が出る季節なんでしょうか。
奇譚 銭形平次 (PHP文庫)『奇譚 銭形平次野村胡堂(末國善己編)
お茶の間派のイメージのある平次物から敢えて異色作を選んだ傑作集。シリーズ第1作「金色の処女」からしてエログロ&波瀾万丈路線というのが意外の感あり。本格トリック物「密室」なんてのも。実は大川橋蔵版ドラマファンで地元局再放送中でもあり個人的にタイムリーだった。
短篇小説集 軍師の生きざま『軍師の生きざま』新田次郎他(末國善己編)
大河『風林火山』前に出た『軍師の死にざま』の好評を受けての戦国軍師物アンソロジー第2弾。勿論来年の大河『天地人』を見据えての企画だが、その主人公直江兼続が上杉家共々乱世を生き延びたのに比し一昨年の山本勘助はいわば武田家とともに滅びたわけで、それが「死にざま」→「生きざま」のタイトルに出てるのかも? 尾崎士郎の異色作「直江山城守」は火坂雅志天地人藤沢周平『密謀』と併せ読むとよさそう。
新 海外ミステリ・ガイド『新海外ミステリ・ガイド』仁賀克雄
好企画ダークファンタジー・シリーズ編者が同じ論創社から出した必携本。歴史・ジャンル・名探偵・トリック・映画という判り易い切り口で海外ミステリの全体像を概観。私選ベスト100に『髑髏島』入れてくれてるのは嬉しかった。
探索者 (海外SFノヴェルズ)『探索者』ジャック・マクデヴィッド(金子浩訳)
遠未来のインディ・ジョーンズともいうべき古美術商アレックスの破天荒な冒険行を描くスペースオペラにしてミステリ的展開も併せ持つ娯楽作──とのことだが遺憾ながら未読。でもこの路線は相当面白そう。タイタス・クロウとどっちが荒唐無稽か比べてみたい? ネビュラ賞受賞作。
黒い本〈2〉―「超」怖い物語 (竹書房文庫)『「超」怖い物語 黒い本2』飯野文彦
これは…日本のジャック・ケッチャム? 作品集にして全体では長篇という構成も乙だがとにかく…変態的恐怖?のオンパレード。平山夢明とも一味違う。
金剛石のレンズ (創元推理文庫)『金剛石のレンズ』フィッツ=ジェイムズ・オブライエン(大瀧啓裕訳)
旧サンリオ版(『失われた部屋』)+αによる超異色作家の復刊作品集。これは訳者の方からでなく故あって編集部より貰いました。
TAP (奇想コレクション)『TAP』グレッグ・イーガン(山岸真編訳)
超人気SF作家の本邦オリジナル短篇集第4弾。遺憾ながら未読。でも超ハード路線は少なく異色作家的ベクトル比重とのことなので、比較的とっつきはよさそうかも?
骸(むくろ)の爪 (GENTOSHA NOVELS)『骸の爪』道尾秀介
『ラットマン』『カラスの親指』で各年末ランキングを席巻した超注目俊英の長篇第2作ノベルス版。HC版にて既読。仏像を巡る濃厚怪奇色と壮絶展開。個人的には近年のより趣味。作者の方からというわけじゃなく編集部が書評紹介用に送ってくれたらしいが…書評持ってないのでせめてここで…
シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ ~未公表事件カタログ~シャーロック・ホームズ・イレギュラーズ〜未公表事件カタログ〜』(森瀬繚&クロノスケープ編・日暮雅通監修)
シャーロック・ホームズはそれ自体1つのジャンル」をコンセプトとする総ガイドブック。中身の充実ぶりはちょっと驚く。小説・映像・漫画・ゲーム…ホームズをモチーフにしたあらゆる作品を網羅。ホームズの出ないホームズ物?『ドラキュラ紀元』のキム・ニューマン・インタビューや日暮雅通・北原尚彦・原田実・平山雄一の座談会等盛り沢山。類書中では出色の楽しさに溢れてて必携。
鬼面迷宮 (ジョイ・ノベルス)『鬼面迷宮』菊地秀行
魔界都市ガイド鬼録シリーズ。意外にも関心がなかったという仮面を初めてテーマにした意欲作とのこと。一番最近頂戴したばかりです。