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年末年始ドラマ1


イノセント・ラヴ』も『チーム・バチスタの栄光』もラストもう一捻り欲しかったなというところで、「こ、これは!」と思わず目を瞠ったのが12/20土ワイSP「終着駅の牛尾刑事vs事件記者・冴子“致死海流”」だ。http://www.tv-asahi.co.jp/dwide/contents/nextweek/0024/ これが珍しく叙述トリックならぬキャスティング・トリックをやってた。原作読んでないのであまりエラそうにはいえないが(といいつつ既にエラそうか)、映像として見る限りそれはこの手のワイドサスペンス物「だからこそ成り立つ」仕掛けで、全く同じ脚本で黒澤明三船敏郎京マチ子を使って作ったとしても同じ効果は絶対に得られない。つまりこういうドラマの場合「あーここでこの役者が使われてるってことは大体こういう展開だよな」といった視聴者側の刷り込み作用が否が応でも働くわけで、通常プロレスと同じで観客にとって心地よいそういう予測どおりに収斂させるのが定番だが、今回はそれを巧いところでひっくり返してた。当然妙な心地悪さがあり、それが結末自体の救いのなさと相俟って尚更尾を引かせる。うーんこれにはやられた、俺が甘かったよ。でもどちらかといえば定番好きなので、こういうのはたまにあればいいってだけ。

で今夜の『相棒Season7』「元日SP・ノアの方舟http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/contents/story/0010/index.html はまたも大作に恥じない面白さだったが、これまたできればさらにもう一捻りあればなという感なきにしもだった──敢えて注文すればだが。ただここでも上でいったキャスティング面での「刷り込み」の面白さは充分伝わっててきた。まあ● ●●が●●じゃなかったってのが最大の引っかけだといえばいえるかもしれないし。実は内心今回初めての●●●●がまさか?…なんて思ったりもしたが、さすがにそれはなかった。