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『「ケルト神話」がわかる』

森瀬繚さんから『「ケルト神話」がわかる──ダーナの神々、妖精からアーサー王伝説まで』(森瀬繚静川龍宗著・ソフトバンク文庫7/27刊)を頂戴しました。
http://blog.sbcr.jp/bunko/detail/001757/

これまでの森瀬氏の本から予想されるように今回もまた徹底した深い調査と掘り下げに基づいて書かれているようで、巻末の参考文献一覧を覗いただけでも思わず襟を正してしまう、というか自然と頭がさがってしまう。とくにこの度のテーマはケルト神話ってことで、個人的にクトゥルー神話と並んで仕事上何かと出てくることの多そうな題材なので大いに参考に──というより勉強になるに違いない。
大体ケルトといえば即アイルランドというイメージがあるものの、そんなケルト人も大昔にヨーロッパ本土から渡ってきた人たちだったといわれている… がしかし本書の「まえがき」によれば「大陸のケルト」と「島のケルト」(即ち欧州本土のケルト人とイギリス&アイルランドケルト人)というのは最近になってどうも元々血縁関係がないらしいってことが判ってきたそうで、そうするとアイルランドというのはやっぱよほど特別な場所なんだなという思いが新たになり改めて興味をそそられる。本文は「ケルトの神々」「ケルトの妖精たち」「ケルトの英雄たち」「アーサー王伝説」という非常に明快な4章立になってて、それぞれが当然ながら思い切り内容濃そうで楽しみ。
というわけでこの『わかる』シリーズも『堕天使』『世界の魔法使い』『伝説の乗り物』『北欧神話』『天使』『ケルト神話』と忽ちのうちに叢書として揃ってきたが、わずか1年ほどの間にこの数ってのはもう舌を巻くしかない。しかも同時に『ホームズ・イレギュラーズ』も出してるし。おいらも見習ってもっと仕事せにゃ…
森瀬さんありがとうございました!
「ケルト神話」がわかる ダーナの神々、妖精からアーサー王伝説まで (ソフトバンク文庫)











因みにふと思い出したのが懐かしの妖精文庫(月刊ペン社)『ケルト幻想物語集』(W・B・イエイツ著・井村君江訳)で、全3巻のうち第3巻『アイルランドの妖精譚』しか持っていなかったのでこの機に思い立って1、2巻(『アイルランド各地方の妖精譚と民話・上下巻』)も古本屋さんに注文を出したというお粗末(揃いで1500円と安かったんで)。この3冊の表紙絵ってのがコナン・ドイルの伯父リチャード・ドイルの妖精画で、それがまたいかにもケルト的(と勝手に思ってる)で素敵なんだな。ドイル家って元々アイルランド系らしいけどひょっとするとケルトの血も入ってるのかもね、何しろ晩年には妖精を本気で研究?した人だから。つまりケルトがなけりゃホームズも生まれてなかった…なんてことはないかな?