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S

Sという芸能事務所がある。今日(7/30木)最終回の『二つのスピカ』主演の桜庭ななみ、今日3回の『ダンディ・ダディ?』ヒロイン(主演の相手役)の南沢奈央、今日4回の『任侠ヘルパー』ヒロイン(同)の黒木メイサの3人が所属する事務所だ。つまり今期木曜のゴールデン~プライムのドラマ界はこのSという事務所が仕切っているといっても過言じゃない状況になってる。このことが個人的にどういう意味を持ってるかというと、要するにこのSとは内山理名堀北真希有坂来瞳という個人的にファンな3人が所属する事務所でもあって、そのうちまだ若く且つ稼ぎ頭である堀北といわばバラエティ班?といえる有坂は別にしても、これまで看板女優だった内山が年齢面人気面でそろそろ──というよりとっくに──翳りに入ってきてるってこともあって、ここにきていよいよ若手の桜庭や南沢を(黒木は既に以前から堀北との抱き合わせ等でかなり売ってたが)本腰入れて売り込んできたなという印象を強くしたってことだ(それはいい換えれば個人的にはその3人に関しては残念ながらまだほとんど思い入れが生じていないってことでもある)。ここで注意しなきゃならないのは、自分の事務所の所属タレントをテレビ局に売り込むことぐらいはそりゃ当然どこでもやってることだが(というかそれが芸能事務所にとって唯一無二の仕事といってもいいわけだが)、だからといって売り出し中の自社タレントを全員同時にゴールデン/プライムの連ドラの主演に据えられるなんて芸当は、どんな大手だろうと(例えば研音とかスターダストとかホリプロでさえ)まず考えられないってことだ──男性の場合なら唯一ジャニーズ事務所がありえなくもないだろうが。
だがそれを実現してしまってるのがこのSなのだ。しかもSはそれらの大手とは比べ物にならないほどの規模(今ではさすがに「小さい」とまではいえないが)の事務所であるにもかかわらずだ。一体どうすればそんな夢のようなことが可能なのか?
しかもSは例えばオスカーの「国民的美少女」出身者(米倉涼子上戸彩福田沙紀ら)とかホリプロの「スカウトキャラバン」出身者(榊原郁恵・深田恭子綾瀬はるから)のような鳴り物入りタレントを多数擁してるわけじゃ全然なく、全員事務所の「社長」が自ら街でスカウトしてきた女の子たちばかりだ(と便宜上いっておくが要するにオーディションじゃなく「社長」の眼鏡に適う子を一本釣りしてくるってこと)。無論同じようにやってる事務所は山ほどあるしそういうところで女優/アイドル/タレントめざして頑張ってる子はそれこそ星の数ほどいるわけで、その中から同じ事務所に属する数人がわずか数席しかない主演の座を偶然にも揃って射止めるなんてことは、確率で見ても奇蹟以外の何物でもないだろう。勿論そういうポジションのキャスティングはオファーじゃなくオーデションで選ぶ場合もあるだろうが(とくにNHK)、だからといってその事務所の子たちだけが他のどんな若手女優orタレントの卵たちよりもどの局(or制作会社)のプロデューサーをも例外なく感心させられるほど並外れた演技力を揃って持ってるとは到底信じがたい。ではSはどうしてそんな信じがたいほどの奇蹟を起こすことができるのか?
これは昔からいわれてることだが──というかそもそもは内山理名が突然彗星のように現われて次々にヒロインの座を射止めていったときからいわれはじめ、さらに堀北真希の登場で決定的に評価が高まったことだが──要するにSの社長の「O(オー)」という女性がとんでもない辣腕らしいってこと。それは勿論自社のタレントを売り込む手腕において、という意味でだ。だがどんなふうに辣腕なのか、そもそもどんな女性なのか、芸能界に身を置かない者には知る由もない。どんな顔をしてるのかさえ、この女社長の名前で検索しても画像は全く出てこない。つまり謎に包まれてる。ただまあ少なくとも、スカウトの才覚──つまり抜きん出て光るものを持ってるとか人一倍売れる要素に恵まれてるとかいった女の子を見つけてくる才能──と、且つそれを資本側にプレゼンする腕力とにおいて格段に秀でた人であることは確かだろうとは容易に想像できる。だが芸能界ってところ才能だけが全てだなんて誰も信じちゃいないわけで、それに加えて何かしらの「力」が働くものだと見るほうがむしろ自然だ。そこで1つ問題になるのが、このSは所謂「B」と関わりがあるかどうか?ってことだ(この「B」が何を意味するかは敢えていうまい、芸能界好きには周知のことながらあからさまにその名を記すのが躊躇われる、というか何となく怖いことですらある)。というかそもそも「B」と関わりを持たない芸能事務所なんてあるのかとさえいわれてるし、事実某誌の過日の精細な特集記事によれば実際「B」に直接関わっていないところといえばJやHやYといった超大手だけどいえるほどで(それらも間接的には友好関係にあるとされる)、問題のSもその傘下とまではいわないまでもかなり強い影響下にある社の1つとされていた。まあ当然といえばいえる、そのぐらいの条件なくしてこんな中小規模の事務所がこれだけ急激に売れてくるってことが業界的に安易に容認されるとは想像しにくいから。つまりは(あまりにもよくいわれることながら)芸能界はそれだけ魑魅魍魎な世界だってことだ。ほとんど全てがそういう闇の中で決まっていってるので、そこを考慮するすべのない我々外野が「この役にはこの子よりあの子のほうが合ってるし演技力もあるのに、どうしてそうしないのかな」とかいったたぐいのことをいってもほとんど意味がないってことだ。
だがSもこれで大成功だなどといって安穏としていられるわけじゃ全然ない。どれだけ策と力を弄して沢山主演を掴んでも、それらが視聴率に結びつかなければ最終目標の達成にはならないからだ。事実今期の上記各ヒロインのドラマは軒並み苦戦を強いられてるし(草なぎ主演の『任侠…』とて例外じゃない)、すでに大物感すらある先輩・堀北でさえ最近の主演作は惨敗続きだ。勿論今のご時勢、視聴率面で成功といえる作品なんて1期に1つでもあればいいほうってほどだが、やり続けるからには是が非でもそこに食い込まなければ真の勝ち組とはとてもいいがたい。上●や長●のように「出れば却って視聴率が落ちる」とまで揶揄されながら事務所の力で常に出続けなきゃならないなんてのはある意味一番悲惨なのだから。
そしてわが内山理名も残念ながら結局は決定的な代表作を残せず最盛期を過ぎてしまい(但し勿論世間的な意味でだ。個人的には凄くいい作品が沢山あると思ってる)、今ではテレビで見かけることすらほとんどなくなって(わずかにCMが1つあるが)、それこそ事務所の恩恵で辛うじて舞台の仕事があるだけといった状況に陥ってる。彼女に関しては知られざる出演作ソフトを少しずつ集めてるので、いずれ機を見てそれらを紹介するつもりでいる。






































…なーんてな。