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川上澄生/棟方志功

「あふれる詩心──版画と陶芸 川上澄生棟方志功/齋藤三郎」於新潟県立近代美術館(長岡)。http://www.lalanet.gr.jp/kinbi/exhibition/2009/ahurerusigokoro.html
高田(現上越市)の【陶芸家齋藤三郎の工房は疎開中の芸術家たちが往来するサロンのごとき空間を形成し】(=チラシより引用)ていたことから川上澄生棟方志功らも訪ねたらしい。またある意味師弟関係だった川上と棟方はともに新潟とゆかりが深く、とくに川上作品は親交の深かった柏崎のコレクター吉田正太郎によって多数蒐集され黒船館(柏崎)というミニ美術館に所蔵されていて、今回の展示品もそこからかなりの数が借り出されたようだ。その黒船館は前に一度訪れたことがあり、川上作品の他に黒船やペリー提督(=川上が好んだテーマ)に因んだ名品珍品が色々展示されていた。…ということで今回はそうした高田〜柏崎界隈の美術風土とでもいったものをこれら3作家のコラボから感じとってもらおうという企画のようだが…でもそんな趣向以上にやはり実際に目を惹くのは個々の作品そのものだ。棟方志功屏風絵「二菩薩釈迦十大弟子」↓。これは迫力あった。左・全図、中央・須菩提(しゅぼだい)、右・迦旃延(かせんねん)。

川上澄生「南蛮船図A」(左)、「蛮船入津(群像図)」(右)↓。維新エキゾチシズム(?)とでもいうべき趣味の代表作でともに黒船館蔵。

因みに南蛮船・黒船とともにランプ(洋燈)も川上がよく描いたモチーフで、右の絵にも右下隅に砂時計と並んで1つ見える。