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ダン・オバノン

ダン・オバノン死去。http://eiga.com/buzz/20091221/4/

ダン・オバノンは『エイリアン』『トータル・リコール』等の大作・ヒット作の脚本家として巨匠になったが、ずっと前ここ→http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20071106 で触れたマニアックなホラー映画『ゾンゲリア』の脚本も手がけてる。この作ラストの仕掛けが先駆的だったんじゃないかと思う。「ソフトが品切れのままで中古が高値」と書いたが、奇しくも先月ようやく新版DVDが出ていた。また少数ながら自身の監督作もあって『バタリアン』が有名だが、隠れた傑作に『ヘルハザード──禁断の黙示録』がある。これは原作ラヴクラフト『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』(=『狂人狂騒曲』)をかなり忠実に映像化していてその筋のファンには評価が高いが、残念ながら一般的には無名に等しい。実は公開時になぜかミステリー評論家新●教授と観にいったんだが、同伴者を間違えたとあとで後悔した、「ラヴクラフトなんていう作家の小説を読むことは決してないだろう」と平気でいう(いかにも汚らわしそうに)ような人だから(その癖ミステリーでは「あれも必読これも必携」と強制する)。あとやはりミステリー書評家三●暁が某誌に「ラヴクラフトって読んだことないけど映画化作品は割と面白いからと思って『ヘルハザード』見たが予想に反してスプラッターホラー(そういうものが矢鱈流行ってた時期だ)じゃなかったのでがっかりした」とか書いてたのも「やっぱこいつもバカだ」と思ったものだ。ホラー→スプラッター→「じゃあラヴクラフトとやらもそうに決まってる」といった羞恥心以下の単純すぎる連想が天下のワセミス出身者とも思えないアホぶりだった。…とまあ妙な思い出し愚痴になっちまったが、とにかくこの作品は傑作にも拘らず中古VHSしか手に入らない。貴重なオバノン監督作としてこの際DVD化してほしいものだ。
『ヘルハザード』のビデオパッケージ
ご冥福を祈ります。
ヘルハザード(吹替) [VHS] バタリアン [DVD] エイリアン [DVD] ゾンゲリア [DVD]