森瀬繚/静川龍宗 『うちのメイドは不定形』
『うちのメイドは不定形』(静川龍宗著・森瀬繚原案・文倉十イラスト PHPスマッシュ文庫)をいただく。
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-67460-5
ぎゃーーー森瀬さんまたやってくれた(あ、バックの写真↑は気にしないように。下敷きにちょうどよかっただけなので)。メイドが不定形だって! そいで名前がテケリさんだって! こりゃもう早速読むしかないでしょ!
ってことで早速読んだ。ぎゃーーーたまらんわこりゃ! トオルくんちの新しいメイドさんは玉虫色の塊なんだけどお湯に3分浸けるとできあがるんだぜ。しかも自分のことを「わたしたち」と複数形で呼ぶ。なぜかというと──いやその先はここじゃバラさないほうがいいだろうけど、それより「テケリ」で「不定形」だったらこのメイドの正体はアレしかないでしょ! …とC神話ファンは真っ先にツッコむに決まってるんだけど、でもその「アレ」の呼称がなぜかなかなか出てこない! 結局第1話「不定形メイドさんがやってくる いあ!いあ!いあ!」では最後まで明かされない(いい忘れたがこの本は3話構成で2「外来者(アウトサイダー)、その他の物語」3「ツインテールは顧みない」)がそれは勿論わざとで、その辺のじらしも巧く利いてる。しかも「家事から戦闘までお任せ!」という帯のキャッチを裏切らずちゃんと「テケリさん」の「戦闘」の敵となるべき「例の勢力」もしっかり用意されてるので安心していい(しかもそっちの勢力の「視点」まで効果的に設定してあるところがんまい)。こりゃもうC路線が好きな人なら「ぷぷ!」「ぷぷ!」「ぷぷ!」「ぷぷ!」の連続(勿論これはハマリ笑いね)になること請け合い。いやーこの作者グループの人たち、衝撃的なジャンル標榜〈萌えクト〉を自ら実践してくれるとは流石とまたも感心させられてしまった。しかもその道の研究を極めてる人たちなので、一見ぶっ飛んでいるようでいても世界観や設定のたしかさは保証済みだし。きっと売れるんだろうな、そして続篇出るんだろうな。それともこの際いろんなバージョンで出すのもいいかも、「うちのワンコは角度から」とか「うちのメーメーは森の黒い千匹」とか… いやそれよりこうなったらもう、そろそろしんどくなってきて「テケリさん」に追い越されそうな(いやもう間違いなく)「うちのタイタスさん」もこの際不定形?になったことだし萌えクト路線に便乗させたほうがいいかもな、BL度やMMR度でも大幅増量させて…
ってことで、とても面白いご本をありがとうございました!
ただまあ
C界隈にも礼儀を知らないバカはいるんで気をつけんとな。 ──いやそれは全然関係ないハナシ。