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アール・ブリュット

6/27『日曜美術館』(再)「絶対唯一のアートの衝撃〜日本のアール・ブリュット、パリ上陸!!」
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2010/0620/index.html
所謂サバンあるいはその類縁の人たちによる美術作品を指すらしい「アール・ブリュット」と呼ばれる芸術、それもとくに日本人の作家・作品が最近海外で注目されていて、計63人1000点(!)の展覧会がパリで開催中だそうだ。http://www.art-brut.jp/

↑左のポスターに使われてる彫塑の作者は番組内でも紹介されてたが、とにかく無数のイボ状突起をくっつけて作品作りをする人とのこと。右は●万里絵(すずき・まりえ、姓は魚偏に戸)という今回の出展作家の代表格ともいえる人の作で、主催者がとくにこの人の作品について「好きか嫌いかと問われればすぐには答えられないし、自宅に飾れるかといわれれば躊躇わざるをえないが、それでもこの人の絵だけは絶対に展示しなければならないと思った」と吐露しているのが印象的だった。この万里絵さんという女性はスタジオ出演までしてインタビューされていて、知的障害があるようには見えず受け答えもしっかりしていたが、解説によれば高校生の頃突然スイッチが入ったように強烈な絵を創作しはじめたらしい。「何がきっかけかといわれても判らないというしかない」という言葉もありがちな芸術家気取りとかでは全くなくまさにそのとおりなのだというのが伝わってきた。他にも何人か極めて興味深い創作姿勢を示す人たちが紹介されてたが、概してみんな「猛烈なスピードと勢い」でまさに溢れる奔流のように創作するところが共通しているようだ。きっと岡本太郎ピカソなんかが究極的にめざしていたものってこういう境地だったんだろうな──なんていうのは素人のたやすすぎる考えかもしれないが、とにかく興味そそる話だし見てみたくなる。