谷啓

問題は『おれの番だ!』だ。ハナ肇・植木等・谷啓らが交互に短い連ドラに主演するシリーズだったのは記憶してるが、そこに加わる4人目が藤田まことだったというのを全く憶えていない。何となく記憶にある4人目は藤田じゃなく青島幸男なのだが、検索してみるとやはりそれは勘違いだったようだ。当時は藤田もナベプロ所属で植木と並ぶスターだったわけだから当然といえば当然だが…　そもそも面白くて欠かさず視てたはずなのに肝心のストーリー等がまるで抜け落ちちまってるんだからエラそうに記憶を主張するなんてできっこない。ただそんな中でも谷啓主演のクールで「現ナマ」という言葉を初めて知ったのだけはずっと頭の隅に残ってた。谷が何かの入ったカバンを大事そうに抱えてあたふた逃げ回るスラップスティックな筋だったと思うが、登場人物たちが矢鱈「現ナマ」「現ナマ」と意味不明な単語を口走ってたのが無知な子供心にも妙に愉快だった。今思うと谷啓というキャラクターはとくにそういう図によく嵌まってたような気がする。あのドラマこそ今視たいものだが、当然ながら叶わぬ夢だ。
あと谷啓が人も知るホラー映画オタクだったことはなぜかテレビ等の追悼報道では全く触れられてないが、以前はトーク番組等でそっちのネタを結構話してたし、何かの雑誌だったかで菊地秀行と対談してたこともあったと思う(間違ってたらごめんなさい)。その方面での故人の逸話などを『映画秘宝』あたりが取材したらいいんじゃないかと思うが…
ご冥福を祈ります。