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西崎憲『飛行士と東京の雨の森』

西崎憲さんから『飛行士と東京の雨の森』(筑摩書房)をいただきました。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480804402/

即拝読。うーむ、不思議だ。この味わいはどう言ったものか。とにかくあまり既存の枠とかで言い変えたい感じじゃない、〈奇妙な味〉にせよ〈純文学〉にせよ。ただやはり〈場所〉というものが各篇とも何かしらの鍵になってるようではある。東京・ウェールズ・都市・郊外・部屋・廃屋・トンネル…あるいは音楽や写真やオブジェや遺品やモノレールなどさえもここでは〈場所〉なのかもしれない
静かに読んでいくうちに〈存在〉の大切さが染みてくる、そんな作品集だ。中でも未知の亡き人のために曲を作る「理想的な月の写真」と肉親の死から〈淋しい場所〉に惹かれていく「淋しい場所」が長めでもあり印象が濃い。
にしても昨年は『ゆみに町』その前は『蕃東国』と毎年創作を出されていて精力的。しかも翻訳も挟んでるし。同世代として見習いたいが…難しそう。
西崎さんありがとうございました!

飛行士と東京の雨の森





























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