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秋の連ドラ視聴率初戦

2012秋期連ドラが出揃い、初回視聴率は予想どおり?テレ朝のワンツー・フィニッシュとなった。『相棒』19.9、『ドクターX』18.6。とくに『相棒』は同シリーズ初回としては過去最高で、2回以降はややさげはするだろうが、とにかく変わらない最強コンテンツぶりを見せつけたことで成宮寛貴もさぞ安堵しただろう。『ドクターX』はここまで健闘するとはやや予想を上回るが、今期は他局が弱すぎなのが大きく因してる、初回祝儀を考慮してもなお。2回以降はかなりさげるはずなのでそこからが踏ん張りどころ。『PRICELSS』16.9はもう仕方ない、09年紅白でのスーザン・ボイルとの英会話不成立が笑えなかったときからキムタクの時代はとうに終わってた(あれが嵐の誰かだったら会話不成立自体で笑いがとれて却って盛り上がってたはずだ)。あと『MONSTERS』は視聴率(13.8
)云々以前に創りっぷりが予想どおりのダメさ。「この手の変に浮いたキャラにしとけば今流行りの謎解きドラマファンが見るにちがいない」という安易な(且つ間違った)考え方がモロに透けて見える。
だがそんなことはほんとはどうでもよくて、気になるのは『ゴーイングマイホーム』(初回13.0、2回8.9)の予想外の出来の悪さだ。いや視聴率じゃなくてドラマ自体の。有名映画監督の初進出ってことで、「視聴率は低くても従来にないリアルさがある」とかなんとかいう映画好き(=ドラマ嫌い)方面からの声があるようだが、おいらに言わせればそんなものはリアルとは言えない。そもそも阿部寛山口智子の夫婦なんて、あんな完璧にカッコいい亭主とあんなステキすぎる奥さんのカップルにまともな意味での「リアリティ」なんてハナからあるわけない。あんな夫婦がいくら「さりげない生活」「何気ない会話」の演技をしようが、いやそんなことをすればするほどその空気は逆にリアルから遠ざかっていく。映画好きはそれで満足するのかもしれないが、それだけでいいんだったらわざわざテレビでやらないで映画でやってればいい。テレビにおける「リアル」を創りたいなら、「阿部寛」「山口智子」という「超有名俳優〈そのもの〉のリアルさ」を自己言及的に表出するしかない。それがいやだというなら無名のしかも演技未経験の素人を使うしかないってことだ、テレビという場においては。
あと収穫は武井咲(『東京全力少女』)が意外と?どんどん演技力がアップしてきてること。『Wの悲劇』では初主演にしては難役すぎたり脇役陣が豪華すぎたりで荷が勝ちすぎてた感を否めなかったが、今回は渡部篤郎にも堂々と伍してて見直させられた。視聴率がそうは伸びないってことは織り込み済みだろう(9.0、8.2)から、どんな局面でも溌剌とやれてるってだけでオスカーとしてはホッとしてるんじゃないか、何しろ米倉・上戸のあとを継いでいかなきゃならない社宝だから。





























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