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マツケンサンバスペシャルコンサート2006

マツケンサンバ スペシャルライブコンサート ~松平健レビュー~ [DVD] マツケンサンバ2 振り付けフォーメション完全マニュアル [DVD] マツケンレシピ―刀を包丁に持ち替えた
長岡市立劇場大ホール6/12(月)PM1:30開演(昼夜2回公演の昼の部)。
世はW杯一色のさなかに行ってきた、こういう2度とない機会は逃しちゃダメ
なので。しかし凄い! テレビでかいま見るよりさらにはるか上だった、松平健
エンターテイナーぶりは。今たぶん日本で一番だな、理屈抜きで大衆を楽しませる
芸能者としては。ショーマンとしては。対抗できるとしたらあとモーニング娘。
氣志團くらいだなきっと。どっちも実際に舞台観たことないけど(…)。
まずとにかく歌・踊りともに隙がなく巧いのに驚かされる。とくに歌は、
マツケンサンバ」しか聴いたことのなかった耳には、次々に繰り出される
あらゆるジャンルでの歌唱力・表現力・声量の豊かさに唸ってしまう。
踊りも数十人の踊り子を従えての真ん中でそりゃもう完璧な踊りだ。
衣装はもちろんすべてこれでもかというほどド派手で、1曲ごとに換えることも
ザラ。そのたびに踊り子たちがツナぐが、これまた決して間延びさせない。
あの振付けの先生ももちろんツナギ役をいとわない(なんと自分で1曲ソロで
唄った!)。しかも合間にもMCほとんどなし。演歌歌手の中にも変にMCや
花束タイムが長すぎる例があるが、マツケンはまったくそんなことがない。
花束タイムなんか全然なしだ。とにかくひたすら休みなく矢継ぎ早に唄い踊る。
中間の休憩タイムでやっと客が安堵できるほど。しかも客に声をかけたりとか
何か言わせたりとか客席に下りたりとか、そんな余計なことはしない。ひたすら
舞台上で自分がパフォーマンスするのみ。照明はもちろん華やか極まりない。
舞台だけでなくホール全体を効果的に使うライティングはまるでアートだ。
そしてトリはもちろん「マツケンサンバ2」。そりゃもう大騒ぎ! 大ヒットして
からもう月日が経つが、こういう地方公演ではそのエネルギーはまだまったく
衰えていない。そしてマツケンは今たぶん日本で最多忙の芸能人の一人だ。
なにせ前日には徳島で主演映画『バルトの楽園(がくえん)』キャンペーンで
「四国みな祭り」に高島礼子ら共演陣とともに参加、「マツケンのAWA踊り」を
唄い踊って、翌日にはこのツァーで新潟だ。しかも映画絡みでテレビにも
出まくってる。それでいて当然ながら微塵の疲れも見せない、というより
疲れるどころか自分こそが楽しんでしまっているとしか思えないマツケンは、
もはや昭和の一大無責任男植木等に匹敵するかもしれない。少なくとも、近年観た
どのアーティスト(藤あや子坂本冬美梅沢富美男他)よりもすばらしいステージ
だった。
ちなみにこの人は中学時代サッカー部のGKで、新聞によれば当夜のオースト
ラリア戦が実は気になって仕方なかったらしい。そちらの結果はあのとおりだが、
昼にマツケンに楽しませてもらったから、まあ気分的には棒引きだな?