.

わが偏愛的艶歌痴話3 来栖ANNA

natsukikenji2006-10-21

NHK版『わらの女』で、ドラマ自体の他にどうしても書き残しておきたいことがある。主題歌だ。これが凄く気に入ってしまって、当時は閑さえあれば口ずさんでた。しかも『わらの女』はテレビ小説形式で毎夜だから、一層耳につくことになった。それを唄ってたのが、記憶では「来栖あんな」という歌手だった。そこで今検索してみると、どうやら正式な芸名は「来栖ANNA」らしいとわかった(平仮名表記する場合もあったようだが)。今調べたところハワイ生まれで、本名は全然別の長いカタカナ名で、横浜だかのカタカナの「ハイスクール」出身となってる。テレビではほとんど姿を見なかったが、一度だけ教育テレビの英会話番組で英語の歌唄ってるのを見たことがあったのは、そういう生まれ育ちでバイリンガルだからという理由だったんだろう。一度だけだったので顔はよくは憶えていないが、美人だったと思う。
で問題の主題歌だが、困ったことにタイトルを憶えていない。まるでオーディオ青年じゃなかったので、テレビで聴いて気に入ったからすぐレコード買ってくるなんてことがほとんどなかったせいもあるが(今思えばこれは買いにいくべきだった)、あんなに好きだったのに曲名知らずにいたとしたら、何とも間抜けだ。今調べてみてもわからない、アルバムのどれかに収録されてはいるんだろうが。しかもこの歌手のCDはどうやらなくて、レコードかカセットテープが中古屋の目録やネットオークションで見かけられる程度だ。かなりの安値だから、今度買ってみよう。レコードはだめだがカセットならなんとか聴けるから。
で、そのタイトル不明の主題歌だが、詞の内容はモロ女主人公の境遇とか心理を表現してて、それが気だるいボサ系のメロディーに乗せられてた。当時AORなんて言葉がすでにあったかどうか知らないが、とにかく「ボサ」ってのに無条件に弱いので(もう生理的だからしょうがない)、やはりそこが惹かれた大きな一因だとは思う。あと唄い手さんのやや低音ぽい安定した唄いっぷりもハマってた。
ドラマ冒頭に流れてたのは残念なことに当然ながら1番だけなので、歌詞の記憶もその部分しかない(希に2番まで流れることもあったような気がするが)。しかもうろ憶えときてる。好きならもっと明確でもいいはずなのに、そこらがやっぱ迂闊なんだな。そこで……ほんとはこういう記述でさえよくないんだろうが(たとえうろ憶えでも)、今これを書き残さないと後悔しそうな気がするので、脳裡にあるかぎりの歌詞をあえて(って、どうせ画像で何度もやっちゃってるしな)以下に記してみる。


      キャンバスに描(か)いた  人生の日々を
      ささくれた筆先で  塗ることはしたくない
      黒ずんだ過去は  淋(さみ)しすぎるから
      新しい毎日は  鮮やかに塗りたいの
      走り去る人々  逃げる季節に
      光と影の中  滲んでゆく
      重ねた絵具の  乾かないうちに
      新しい毎日を  わたしは塗りたいの ……


こうして見ると、最後の一行あたりの記憶が一番曖昧だ。「新しい毎日」が2度も出てきたり、「塗る」が3度も出てきたりってのはどうも怪しい。当時からすでにこの程度のうろ憶えのまま口ずさんでいたんだなきっと。