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河原和寿

natsukikenji2006-10-31

10/29、U-19がアジアユースの初戦北朝鮮戦で2-0勝利したが、先制点を叩きこみ追加点をアシストしてMOM級に大活躍したのがアルビの新鋭FW河原和寿だ。驚いた、なんとかベンチ入りだけでもと思ってたのが、まさかここまでやるとは! 先制点は後半34分、左で横パスを受けると短くドリブルし、スペースが詰まらないのを確認するやすかさず右足ミドル一閃! アシストはそのわずか4分後、逆の右サイドから中央へドリブルして2、3人を抜き、敵DFラインギリギリへ絶妙の浮き球パス(Gは広島MF柏木)!
田中亜土夢とともにアルビから2人だけ選ばれたものの、最激戦区のしかも最注目選手の並ぶFWにあって、誰よりも危機感を持ってた。インド入り直前の新潟合宿では、自分の所属チームであるアルビとの練習戦で、控え組のしかもMFとして出た。FWへのこだわりから悔しさを募らせ、1ゴールを決めて猛アピール。結局北朝鮮戦では伊藤翔ハーフナー・マイク錚々たる気鋭を退けて先発で2トップの一角を担った。そしてこの結果というのは、思いきって起用した監督の期待に応えて余りあっただろうし、一躍日本の若手の注目株として躍り出たのは間違いない。
アルビでは亜土夢のほうが夏以降先発に定着して連勝の立役者になるなど1歩も2歩も先行し、ベンチ入りすらやっとだった河原はライバル心をあえて口に出すなどすでにクラブ内ですら危機感と飢餓感に苛まれていた。それがこんな最高の形で一気に爆発したのは、まったく目出度い。彼を初めてJ公式戦で見たのは4月の甲府戦だった。後半終盤に途中出場するとその3分後、右のスペースに張って中央のボランチシルビーニョからの斜めパスを受け、短くドリブルして右足一閃、DFとGKを間髪で擦り抜ける初ゴールを決めた。まさに今戦を思わせる気迫のシュートだった。これで監督にも買われると思いきや、エース・エジミウソンや矢野・中原という大型ポストプレイヤーの間に付け入る隙はなかなかなく、ユーティリティ度の高い亜土夢に水をあけられる一方だった。それだけにライバルと同時出場でのこの活躍は、自身感慨ひとしおだろう。今大会の優勝(日本初)やU-20W杯進出も無論大事だが、これを機にJでの出場機会が急増するよう願わずにはいられない。
サポの間でのあだ名は〈えなり〉。彼がベンチ入りした試合の後半には、「えなりまだ〜?」の書き込みが某実況板で垣間見られる。ジャニーズ系スター性の亜土夢とはまた全然違った愛敬と味わいは捨てがたい。