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わが偏愛的女優痴話10 永作博美前篇

natsukikenji2006-11-14

Pure Soul ~君が僕を忘れても~ DVD-BOX
録り溜めた『巧妙が辻』をやっと秀吉の死まで見終えたところで永作博美をひとまず。淀の方をやってるわけだが、久々に怖い面の永作を見れてる。と同時に、久々に悪としての淀を設定にしてるドラマだという千街晶之さん(大河ドラマの大家)の見解が非常に有益だった(於鮎川賞)。秀次一族の殲滅を秀吉に吹き込む淀、そして何より怖いのは、危篤状態の秀吉に母お市の方の怨霊として死を促がすところだ。このシーンを見て、よくぞ永作を起用したり!と初めて膝を打った。
怖い永作というと、何といっても初めてドラマの中での彼女を見たとき、すなわち94年『世にも奇妙な物語』中の「罰ゲーム」が記憶に鮮烈だ。これは永作ファンの間では非常に有名な短篇で、友人のきれいな姉の異常な自傷癖に恐怖と同時に魅惑を覚える少年の話で、苦痛に顔を歪めながらも笑みを湛え目をぎらつかせて自分の体に刃物を立てる永作が鬼気迫って慄然とさせた。他には連ドラ『ひとり暮らし』でヒロイン常盤貴子に嫉妬絡みの同性愛感情を抱く友人役があり、世間的にはこれで一躍注目されたようだが、遺憾ながらレンタルビデオで途中までしか見ていない。あと内館牧子ドラマ『週末婚』で最初姉に虐められるものの後半強烈に反撃していたらしい(竹本健治さんによると)が、なぜかそのあたりだけ記憶から飛んでるのがこれまた遺憾だ。怖い面というと実は意外とそのぐらいで、他はむしろ可哀相な役どころが目立つ。『週末婚』もかなり可哀相だが、やはり若年性アルツハイマーの人妻を熱演して某大ヒット韓流映画にリメークされた『Pure Soul』、復讐鬼中森明菜にひたすら追いまくられる『冷たい月』が印象的だ。あと『婚外恋愛』はスワッピングがテーマで、可哀相とは違うがかなりドキドキさせた。
巧妙が辻』はストーリー進行としてはすでに関ヶ原も終え三成の死まで来ているので、果たして淀の方がどんな具合になっているか期待にゾクゾクする。