東電 - .

東京電力で原発の緊急停止を国に報告しない改竄･隠蔽があったことが発覚。９２年２月の柏崎刈羽原発１号機と８５年１１月の福島第２原発１号機の２件。いずれも定期検査実施のため原子炉の出力低下中に配管弁に異常が発生、原子炉が自動緊急停止したが、東電は国に報告せずに検査に入った。運転日誌に緊急停止の事実を記載せずデータも改竄し、検査官の目をごまかしていた。

東電は発覚後慌てて各方面に謝罪してるようだが、現場の当事者は｢いちいち報告してると煩瑣だから｣みたいな言い訳してるらしい。……｢煩瑣｣という言葉の持つ合理性の象徴みたいなニュアンスと、｢原発｣という具体物のこれ以上ないほど絶対的な重さとがあまりにもかけ離れていて驚かされるが、そういう内部の論理な思考法そのものは、昔勤めをしたことのある身としては、というよりも人一倍自分勝手な人間としては、まったく判らないわけでもない。だから、この件で頭に来るのは、単に柏崎刈羽で造ってる電気が自分の使えるものじゃないという1点にかかってるかもしれない。電気なしでは1分1秒だって生きていけないんだから、これがもし東北電力なら、どうせいつかは死ぬんだからこのぐらいのリスクはしょうがないかな、とか思うかもしれない(あくまで｢かもしれない｣だが)。
東京もオリンピックやるならまた大量に電気要るんだから、いっそ都庁にでも柏崎のやつ移せばいいのに。そのほうがはるかに｢煩瑣｣じゃなくなって合理的だし、第一あの建物の形は原発に似合ってると思う。これはべつに嫌みじゃなく真面目な話だ。石原さん自身｢原発なんて安全なんだから東京に造ってもいいくらいなんだ｣と前からいってるんだから、そのとおりにすればいいだけの話だってこと。またどうせ石原さんになるに決まってるんだし。それとも、いくら安全でもオリンピックやろうという都市に｢原発｣なんてものがあっちゃやっぱイメージ的にまずいかな？　そうだよな、柏崎とかそこらのド田舎なら、イメージ悪いもクソもないし、オリンピックやる心配もないもんな。まったくそのとおり。