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謎の古代文明モホス

衝撃の古代アマゾン文明―第五の大河文明が世界史を書きかえる
某番組でどこかの先生がいってたが、最近じゃもう「世界四大文明」とはいわなくなったらしい。少なくとも20、30〈大〉文明はあるとか……
3/5(月)TBS『古代ミステリー・秘境アマゾン巨大文明・歴史が変わる第2弾!!』。これは凄い。ボリビアアマゾン川奥地モホス大平原の謎の遺蹟を追うシリーズ第2弾だが、第1弾を見た憶えがない。録画してないはずはないから、あとで確認せねば。とにかく、ラテン・アメリカといえばインカ帝国マヤ文明マチュピチュやナスカという話になりがちだが(それはそれでもちろんいいんだが)、これはこれまでまったく未開の秘境としか思われていなかったアマゾンの最奥部に、信じがたいほど大規模な遺跡めいたものが発見されつつあるというんだから、わくわくさせずにはいない。とにかくその規模たるや、とんでもないのだ! 〈ロマ〉と呼ばれる古墳めいた形の人工の丘が2万個も点在し、水深2メートルに統一された方形の浅い人造湖が2千も散らばり、自然界には存在しないはずの正確な直線状の畝〈テラプレン〉が総延長5千キロものびているという! そんな秘境にそんなものが多数あるってこと自体もさることながら、なによりもその〈多数〉さ加減が半端じゃないってのが凄すぎる。2万、2千、5千だぜ、信じられるか、あんなでかいものの大群が、あんなジャングルの奥地に!? しかもそれが過去数千年も発見されずに(もちろん西洋系文明社会によって、だが)きたなんて?
だが、これはさらに驚くべきことでもあり、反面、惜しむらくは、ということにも繋がってくるが、最近発見されたといっても昨日今日ではなくすでに数年を経ていて、その間に各国の学者や調査団がすでに徹底的な調査研究を(もちろん部分的にせよ)を続けてる。とくにある学者が現地で実地に魚の養殖や食料植物の栽培実験を続け、謎の人造湖や畝がそうした事業のために造られたものだという仮説を論理的実際的に証拠立てつつあるのだ。その執念にもちょっとした凄さを感じるが、同時に、そういうある意味常識的な方向性の仮説よりも、こんな凄い謎めいた遺蹟ならばもっとトンデモなほうにいってほしかったという(究極的には例のクトゥルー神話史観とどこかで結びつけたいという夢想というか妄想があるわけだが)、個人的な残念さも感じてしまわざるをえない。ただ遺骨も多数見つかっていて、それがモンゴロイド系である(これは新大陸だから当然だが)のみならず、なぜか日本の弥生人と共通性があり、にもかわらず身長が1メートル80〜2メートル以上もある人々だったというのが、未だ謎を深めてくれている。そしてその人々がいったいどこへ消えてしまったのかということも……


ところで上に掲げた書影の本(持ってはいない)の著者が日本からの実地調査者の一人で、この番組にも出演して解説してた。注目すべきは、この本のアマゾン評で、「トンデモ系眉唾本」という方向の評に当然のごとく圧倒的に支持が集まってて、真に受けて感心してる(俺みたいに)系の評はあまり支持されてないってところだ。つまり前者系の評書く連中って、肝心の本の内容楽しむなんてことにはなんの関心もなくて、「俺は騙されない利口なやつだぞ」ってことをいいたいがための材料にしてるにすぎないんだろうな、ってこと。だから当然この手の本についてそういうこと書けば支持が集まるってことも承知してるから、こういう本をわざわざ選んで評書くんだろうな。まったくお利口なことだよね。でもそんなことのために手間かけて本読むとは……信じがたいね、俺みたいに、騙されてもいい(いやむしろ騙されたい!)から面白けりゃそれでいいなんていう馬鹿なやつにとっては。
最後にもう一つ。この番組ではリポーター役の日比野克彦とナレーションの佐藤浩市がそれぞれ渋い味出していいところ持ってってたのが印象的だった。