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わが偏愛的女優痴話11 松雪泰子

きらきらひかる3 フジテレビドラマスペシャル [VHS] 救命病棟24時 1 (第2シリーズ) [DVD] フラガール メモリアルBOX [DVD]
DVD発売日(今日3/16)の前日というときに、小屋まで足を運んで見てきた、『フラガール』凱旋?再上映を、1000円均一ってことで。面白かった。単純に感動した。根が単純なもので。昭和懐かしみ路線&女の子グループ夢追い路線という二つの人気路線の集大成的な映画だが、しかし本当の見所は何といってもフラダンスそのものだ。そこにスペクタクルを絞って徹底させてるのがいい。このスペクタクルなる言葉、実は意味もよくわからず使ってるだけなんだが、自分の中では、要するに劇場のでかいスクリーンで見たくなるような迫力ある映像なら何でもスペクタクルだ。そこには余計な泣かせや小ネタの感動は要らない。例えばかつて(もう随分前になってしまったが)意外にも大ヒットした『ディープ・インパクト』に失望したのは親子愛の泣かせばかりが目立って肝心の洪水シーンが全然中途半端だったからだ(あの映画に変に拘るのは自分が原案本を訳してるからで、その点で恩恵は人一倍受けてるのだが)。それが例えばこの『フラガール』でいえば、落盤事故とか親友との別れといった大泣きの要素は入るものの、それらが全部ラストの一大スペクタクル(開業公演でのフラ・ショー)に収斂し、それをサイドから盛りあげてるからこそ効果的だってことだ。ショーのクライマックスでソロ・ダンスをやった蒼井優は、たしかにあの踊り一発で完全に主役の座を奪ったが、それもそれまでの彼女を巡るドラマがそこに収斂したればこそなわけで、そういう意味での泣かせや感動を否定するものじゃ全然ない。
因みに蒼井優はクレジット三番手であるにもかかわらず、この役で主演女優賞&助演女優賞を四つずつ獲りまさに総なめ状態。ダンス講師役で実質主演の松雪泰子は主演女優賞一つは獲ってるが(日刊スポーツ映画大賞)、どうなんだろう、内心「悔しー!」と思ってる部分もそりゃないとはいえんだろうな。でも男勝りなスレきった鼻持ちならない都会の女という役どころは、彼女しかいないといえるはまり役だった。個人的にウケたのは、松雪がDV男(高橋克実)に怒って銭湯に殴り込み男湯でスリーパーホールド食らわせるところと、バスの中で蒼井優と確執の果てに意気投合し、われ知らず福島弁に感化されるシーンだ。ところでこの映画でも岸辺一徳が大熱演で、個人的には助演男優賞もの。あとひとつだけどうでもいいことながら気になった点を挙げれば、昭和40年ごろダッフルコートってすでにそんなに普及してたかな、それも田舎で?ってこと(蒼井はじめ2、3人のフラガールが着てた)。
残念ながら常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)には行ったことがない。まあ行く機会はなかなかないだろうな。


さて松雪泰子のドラマは、調べてみるとそんなに見てるわけじゃなかった。最初に認識したのは『パ★テ★オ』(菊池桃子主演)での呪われた姉妹という設定での鈴木京香の妹役で、両人ともまだメジャーじゃなかった。あと古い順に『硝子のかけらたち』『理想の上司』『きらきらひかる』『なにさま!』『アフリカの夜』『救命病棟24時(第2シリーズ)』などで、出世作といわれる『白鳥麗子でございます!』は見てない。怖くて面白かった『硝子』は最終回だけいまだに気になりつつ見てない。『きらきら』『アフリカ』ではともにメジャーになった鈴木京香と再共演。『きらきら』での女刑事や『救命』での女医など、男勝りキャリア系はやはりはまる。因みに『救命』は松嶋奈々子版『救命』以上の高視聴率を獲り、同シリーズの最高傑作であると同時に、松雪を大物女優に仲間入りさせた代表作だ。
映画は『アナザヘヴン』しか見てない。意外にもちょい役だったが(しかも殺され役)、たしか自分から出演志願したとかいうことだったと思う。あとWikipediaでの「松雪泰子」の項の解説は笑ってしまう傑作。いいとこ突きまくってる。