矢野貴章

候補止まりだったのが、今日(3/21)ついにＡ代表に初選出された。運がよかった面はなくはない。追加召集、とくに高原一人しか発表されなかったFW陣は今日のナ杯＆ACL(川崎＆浦和)での活躍＆奮起にかかってたわけだが、普通なら鉄板な我那覇(川崎)が怪我気味で不調、昨季終盤昇り調子だった幡戸(G大阪)が開幕後モロ不調、同じく好調な高松(大分)は今日ナ杯でも得点したのに腰をひねって脱落、ってことで、新潟･矢野にお鉢が回ってきた。ほんとは最近絶好調の永井(浦和)や黒津(川崎)でもおかしくないところだが、やはり一番最近の合宿で候補に召集されてる、ってことが大きかったのかもしれない。合宿では学生との練習試合でいきなりハットトリックやったり、それになにより今日のナ杯(対鹿島3-1)というここ一番で1点決めたってのは大きいだろう。追加FW陣で今日決めたのは矢野だけだから、その意味でほんとのアピールで入ったのは彼だけといえる(巻(千葉)佐藤寿(広島)は常連の意味もあるだろうし、松橋(大分)は高松の代わりだし)。
昨季柏から移り、エジミウソンと2トップを組む。高校時代は超有望株だったらしいが、怪我に泣いて柏時代は棒に振ったらしい。新潟では最初こそエジの陰に隠れ、というかエジを活かすための走り回り役に徹していたが、途中から欲が出てきて得点狙いだしたのがよかった。高さから頭でというイメージがあるが、実際にはがむしゃらに泥臭くどんな体勢からでも狙ってくのがいいところ。｢巻さんと同じタイプで、ひたむきさが売り｣と自分でもいってるとおり、とにかく走って貢献するタイプ。あまりの荒削りさから、中継中に解説者から欠点指摘され続けるなんてこともあったが、オシム子飼いの巻に似てるそんなキャラは、運次第では指揮官の秘密兵器になれるかもしれない。
しかし今日の選出はあくまで3/24のペルー戦のみのもの。しかもそこでも先発は高原＆巻だろうし、途中出場も佐藤寿が優先されるだろうから、矢野がピッチに出れるかどうかは極めて微妙だ。それでも親善試合で交替枠は多かろうから、できたらラスト1分でも2分でも芝を踏んでもらいたい。新潟で初めての現役のA代表の勇姿を是非見せてほしい。そこから総ては始まる。