魔物

いやー何が起こるかわからんもんだな。昨日あれほど完璧で史上最高得点叩き出したキムヨナが今日はまさかの二度の転倒。昨日5位まで落ちて、内心じゃみんなほぼ絶望視してたはずの浅田真央が奇蹟的ともいえる高得点で急浮上。昨日四回転やると明言してたという安藤美姫が最後に三回転でまとめて総合一位とは。｢場内の雰囲気がおかしいです｣みたいなこと実況アナがいってたが、たしかにあまりの緊迫ゆえの異様な空気がテレビ越しにも伝わってた。そこに魔物がいたんだな。そいつが浅田と安藤には味方し(二人とも自己ベストだったらしい)、キムと欧米勢には敵になった。昨日のSPで前回覇者のマイズナーが自己ベスト出しても4位っていう異常にハイレベルな争いになったあたりから魔物が湧いたんだろうな。その状況で最後っていう信じがたいプレッシャーの中でミスなくやり遂げた安藤の優勝は、ほんとに拍手物だ。深夜のインタビューによれば、四回転やめて三回転にしたのはライバルたちの得点状況睨んでのことじゃなく、すでにコーチにいわれてたことらしいから、そのときもう魔物は彼女の側につくことにしてたんだろう。

その一方で、ペルー戦にはなぜか魔物が見えなかった。観衆は6万の超満員なのに、試合は何かが弛緩してた。得点は二つともセットプレーから。もっとガンガン攻めてきゃいいじゃないかと素人目にも思える。シュート少なすぎ！とセルジオ越後ならずともいいたくなる。ていうかバックパスとかそんなんばっか多すぎるよな。まあ不調だった巻が点獲ったり、鳴り物入りで呼んだ中村･高原が首尾よく活躍したりってのはよかったんだろうが、実をいえばそこいらは最低限のことだろう。それすらなかったら｢金返せ！｣と大合唱されててもおかしくないんじゃないか。親善試合でリスク恐れてどうすんだよ。U-22にしても、｢GOAL時の喜び方が足りん！｣とかニュース番組にまで叱られてるし(おれもそう思ったよほんと)、Ｊのみなさん、この際フィギュアやシンクロの闘志を見習ったらどうでしょう？
ところで新潟の矢野貴章は2-0という経過のお陰か割と早めに目出度くデビュー。こぼれ弾を頭で押し込もうとした決定的な場面も一つあって悔しがってた。次も是非呼んでやってくれオシムさん。

最後に余談ながらセンバツでは昨日日本文理(新潟市)が優勝候補大阪桐蔭の中田に予定どおりボコボコにのされた(0-7)。その一方でBCリーグでは新潟アルビレックスBCが今日からキャンプインだそうだ。いよいよ混沌としてきたな。