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豊島たづみ

natsukikenji2007-06-15

マーケットプレイスで数年越しで出品待ちしてた豊島たづみのアルバム『とまどいトワイライト』がようやく入ったとカスタマサービスからメールがきた。現物が届くのはまだこれからだが、これは相当嬉しい。ミルトン・バナナのときに匹敵する。あのときもそうだったが、レコードじゃなくCDというのが相当レアだ。レコードならヤフオクにほぼ常時出てるが、CDはまず出ない。入荷の知らせがくる直前にも実はヤフオクを覗いて、「見つかりそうにないから同じ歌手の別のLPでも買うか(プレーヤーは持ってないが)」などと思いながら、かんたん決済のできない出品者だったのでめんどくさくなってやめた矢先だった。そこに奇しくも入荷連絡だから、最初は目を疑った。連絡といえばいつも待機延長更新するか否かの問い合わせばかりで、諦めかけていたところだったから。購入額は3800円。待機中の上限を6000だったか7000だったかに設定してたので、予定よりかなり安いのもよかった。(注・写真は当該盤でなく、アルバム・タイトル曲のEP盤)
豊島たづみという歌手については、ここあたりが↓ディスコグラフィも充実してて詳しそうだ。
http://www.rock-age.com/NEWMUSIC/ToyosimaTadumi.html#

つまりは知る人ぞ知るってことだが、一発屋という呼び方はちょっと違う気がする。ネガティヴな言い方だからってわけじゃなく、唯一のスマッシュヒットである「とまどいトワイライト」にしてからがそれほど人口に膾炙したヒット曲というわけじゃないからだ(例えば丸山圭子や故松原みきなら悪いがそういう呼び方が当てはまるかもしれない)。つまり一発屋にすら到っていないってことで……
初めてこの人の歌声を聴いたのは、テレビでリアルタイムでだった。たぶん70年代終わり頃から80年代初めにかけてのころだと思うが、「行き暮れて」という曲がある連ドラの主題歌になってて、これがまた好きな系統で印象的だった。「とまどい…」も主題歌だが、こっちはなぜか憶えてはいない、聴けば記憶に響くかもしれないが。しかし妙なことに当時はこの歌手が豊島たづみという名前だってことにあまり意識がなかった。意識するようになったのはもっと後年、刀根麻理子という歌手を大好きになったときに、そのアルバムに入ってる豊島のカバー曲「海が見たい」と「都会のゆううつ」を聴いたときだ。突出したツボさ加減に鳥肌が立ち、作詞作曲の豊島という人について調べ、昔何気に好きだった「行き暮れて」の歌手だと知った。
とくに「海が見たい」は日本にこんな歌があったのかと思うほどの壮大?なスケールのボサノバ恋愛歌で、しかも不倫の歌。歌詞引用は控えるが、要するに「耐えながらもどこか醒めてる女」というプチ退廃なイメージが描かれてるのがなんか物凄く魅惑的だった。今は「元気をもらえる歌」だの「夢を諦めないで」だのいう歌ばっかで、哀しい恋愛を唄う女性歌手つったら柴田淳ぐらいだが、それとて「耐えすぎてる女」感が強くてどうもしんどい……つまりそんな時代だからこの豊島たづみなんかが逆に一層新鮮に感じられるってことだ。
とはいえ今度のアルバム『とまどい…』にはその「海が見たい」も前述の「行き暮れて」も実は入ってないのだが、それにもかかわらず非常に楽しみだ。軽いノリの「都会のゆううつ」は入っていてこれまたお気にだし、マイケル・フランクスの大定番「アントニオの歌」のカバーも入ってる。続報予定。