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新潟明訓

natsukikenji2007-08-11

明訓が県勢として8年ぶりに夏の甲子園初戦突破。相手は岩手の花巻東で1-0。とにかく明訓のエース永井の好投が光る。毎回の14奪三振で零封。初めての甲子園であの落ち着きぶりは大したものだ。パッパパッパと投げるのが早いのにコントロールを失わない。それだけ自信があるんだろうが。でもひやりとする場面ももちろんあって、結果的には薄氷だった。4回に2死満塁でこりゃ同点やられるなと思ったとき、セカンドランナーがなぜか飛び出してくれてタッチアウト。9回裏にもランナー一人置いて初暴投し相手を勢いづかせた。そのあときっちり締めたから事無きを得たが。運のよさは攻撃面にもあった。5回の虎の子の1点は死球・四球で繋がったあとの3番の今日唯一の(当然ながら)タイムリーによる。相手はその回からなぜか一年生投手に換えたばかりだったし。といってもその相手二番手投手の出来が悪かったわけじゃなく、その後はずっと好投・堅守で明訓の追加点を許さなかった。つまりほんとにそのタイミングでの一打に泣いたというだけ。それに速報では「花巻東の打線が揮わず」みたいに書いてたけど、決して相手校が全然打てなかったというわけじゃなくヒットも出してた。ただバントを2度3度失敗してたのが痛かっただろう。そこらをきっちりできるかが鍵になるよなやっぱ。その意味で今回の明訓は(花巻東には悪いが)同レベル校相手で助かったかもしれない。実際新潟勢が甲子園初戦で自県より北の県勢とあたったことなんて今までほとんどなかったんじゃないか。大概近畿中国四国あたりのとあたって当然のごとく負けるのがパターンだった。そこらへんだと名のない高校だって新潟のトップレベル校より何倍も強いものな。それは次にあたる甲府商だって同じこと。何しろ今日の初戦で境を14-1で圧倒したチームだ。いくら永井が好投手でも、花巻東の一年生投手から1点しか獲れない打線で次を狙うのは難しいだろう。といってももちろん明訓が打てないチームってわけじゃない、何しろ県大会決勝じゃ県内最強の日本文理(春夏3大会連続出場を目指してた)をコールドゲーム同然の大差で下してるんだから。つまりはそれほど甲子園はキツいってことだ。
とにかくその舞台で一つでも勝つってのは新潟の高校にとって夢だから(8年前も明訓だったとのこと)、その点では地震被災した柏崎の人たちも喜んでいるだろう、県大会では柏崎総合が明訓とやってるし(夢を託す記念品を渡したらしい)、それに新潟ってこういうときになると妙に一つになって応援するからな、県によっては地域によって「文化圏が違う」とかいって無関心装うところもあるらしいが(新潟だって上越中越下越でまるで文化が違うのに、場合によっていい連邦感を生むのが特徴だ、サッカーのアルビがいい例だが)。
次の甲府商戦はまさに川中島で、奇しくも『風林火山』で謙信が本格登場し始めた折だけにちょうどいいだろう。本当の川中島では権謀術数の限りを尽くして互角だったが、甲子園では堂々とやって華々しく散るところを見せてもらいたいものだ。