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永作博美2

natsukikenji2007-09-24

珍しく永作博美が雑誌の表紙とグラビアを飾ってたので(盗んできたこの写真は上半分だけになっちまったが)、こりゃ買わねばと書店で手にとったものの、うーんと躊躇したあげく棚に戻してしまった。が翌日になって思い直し結局買ったというお粗末。その雑誌とは『dankaiパンチ』(飛鳥新社)。ほとんど念頭になかった雑誌だが(頭の片隅で見かけた気はするものの)、誌名どおり団塊の世代をターゲットにして往年の『平凡パンチ』懐かしみ派のオヤジ読者層を狙おうという路線のようだ。それはべつにいいし、昭和レトロブーム便乗も全然否定しない(むしろ奨励派だ)が、迷ったのはその値段だ、税込980円。つまりたとえ永作の写真込みでもその額に見合うほど他の記事の中身が濃いかというとどうも疑問符だ、ってところで貧乏人としては立ち止まってしまったんだな。「グラマー女優名鑑」「YMO結成秘話」「ベンチャーズ・インタビュー」「ホンダN360」「川添象郎」「VAN神話」とそれっぽいテーマを並べてるものの、なんかみんな薄い感じがする。だいたいこういうのはもっとヲタク精神を強く発揮して中身濃くしなきゃダメだろ。リニューアルして間もないらしく「過去にこだわりすぎるのはやめました」(編集後記)とか書いてるから、懲りすぎて評判落としたとか売れなかったとかいう事情だったといいたいようだが、問題はどうももっと根本的なところにありそうな気がする。この値段だったら少なくとも情報量ぐらいはもっと多くして見合う感出さないと買えないでしょ。「グラマー女優名鑑」なんて銘打ってる割には女優7人(白木マリ他)しか採りあげてないし、出演作も記事の中にダラダラっと適当に書き込んであるだけで網羅性が皆無で、各作がソフト化されてるかどうかもまるでわからず何の参考にもならない。その辺のいい加減さは、最近つい毎号買ってしまってる『映画秘宝』の圧倒的な情報量と比べたら一目瞭然だ。因みに後者の価格はほぼ同程度の1050円。もちろんそんな専門誌と同等にやれなんていうわけじゃないが、懐旧路線を売りにしてる雑誌という点では同じなわけで、にもかかわらず後者のが「斬新で面白くてタメになる(確かにそうかどうかは別にして)」感がはるかに横溢してるのは、もう編集者の頭の出来が全然違うからじゃないかとしか考えようがない。「黄金世代の意識革命マガジン」ていうキャッチの『dankaiパンチ』だが、今のままじゃ革命どころか、「黄金世代」(これ自体こっぱずかしい言葉だが)が手にとるには恥ずかしいような雑誌にしかなっていない……
なんてのはまあどうでもいいことなんだが、ただせっかく永作の写真がちょっとよかったので(渡辺達生って昔からあまり好きじゃないが、今回は被写体のお陰かな)、彼女が何となく可哀相になって一言文句垂れた次第。
ところで(どうでもいいついでに)この雑誌の書評欄、井家上隆幸・関口苑生あたりを持ってきてるの見て、ああなるほどなと一部納得した。つまりいまだにそういう安易で古臭い選択が躊躇いもなくなされてしまうような人脈と立ち位置なんだとしたら、こんな作りの誌面になるのもある意味無理ないのかなと。