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『honeycreeper』

honeycreeper
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1650995&GOODS_SORT_CD=101
待望のPUFFYのニューアルバム。タイトルのハニークリーパーというのはミツドリのことで、鳥のくせに花の蜜を吸って渡り歩くところが、いろんなアーティストのおいしいところを吸い歩く自分たちに似てるってことでつけたとか。その名のとおりいつもながら豪華な作家陣。お馴染みの井上陽水奥田民生はじめ吉井和哉真島昌利ピエール瀧ブッチ・ウォーカー……中で異色は宮藤官九郎。素直にくるはずはないと思ってたら案の定、提供曲「妖怪PUFFY」は懲りすぎ。井上奥田コンビの「オリエンタル・ダイヤモンド」は「アジアの純真」のアンサーソング?っぽいが、ちと安易は否めない。むしろザ・クロマニヨンズ(真島昌利)のカバー「はさんじゃうぜ」とかチバユウスケ(ザ・ピロウズ)「君とオートバイ」とかのが軽いすっとぼけ感が巧く出てていい。あとPUFFYって英語曲がだいたい凄くハマるが、今回も全英語詞のが2曲入れてある。彼女らはジャニ系と一緒で決してハモらないが、唄うときは独自のパフィー声?に変えるらしい。その独特な感じのユニゾンが英語っ「ぽさ」を妙に巧く醸し出す。これがなぜか海外でも受けるんだな、発音自体は通じてなくても。
パトリック・マシアス『オタク・イン・USA』(町山智浩編訳)は「パフィーアメリカじゃアニメで売れただけだから、知ってるのは幼児だけ」とか書いてるが、まったくズレてる。日本で『ハロモニ@』見るのが子供でなんか全然なくていい年こいたハロオタばかりなのと同様に、海外でのPuffyAmiYumiはべつに子供向けってわけじゃない。アニメはむしろ余禄程度だ。そもそも進出のきっかけはたまたまやったライブが予想外に受けたからだった。ここいらとか↓見ていくと、
http://www.youtube.com/results?search_query=Puffy
向こうのファンがよくも悪くもとにかく彼女たちの「音楽」に妙な新鮮さを感じとってるってことがわかる。驚くべきは、これらのほとんどが海外ファンによってUPされたものだってことだ。そりゃそうだ、日本じゃすでに往時のような幅広い人気はまるで失せ、ただコアなファン層が支えるってだけなんだから。これはまあ皮肉な一面ではある。
そんなことはともかくとしても、『honeycreeper』は総じてすばらしい。どこを切っても裏切られないPUFFY節を堪能できる。
オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史