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エジミウソン復活

natsukikenji2007-10-08

愉快だ! これほど愉快な勝ち方ってあるか?

第28節、ホーム(ビッグスワン)で対大宮オレンジ・ダービー。アルビは7位ながらここまで4連敗(しかもホーム3連敗)の上に怪我人続出の最悪状態。対する大宮は降格圏の17位でこれまた絶体絶命の危機。ただ大宮はここにきてFWデニス・マルケス獲得して前節勝利し波に乗りつつあり、絶不調のアルビのほうが不利要素は多い。何しろ大砲エジミウソンはじめ内田・マルシオ・永田・田中が次々出られなくなり、そうこうするうちずるずる負け続けていっこう波が戻らない。そこでついに監督は我慢しきれなくなり、まだ本調子じゃないエジをベンチ入りさせた……
そして試合本番、異様な緊迫の中案の定一進一退、どちらも最後を詰めきれないイライラ展開が続いた。0-0で迎えた後半頭から新潟は早くもエジ投入、大宮も途中からデニス・マルケスペドロ・ジュニオール次々入れて互いに攻勢に出ようとする。ところがそこで大宮が一人退場し急転新潟有利に──と思われたがなおも決められないままついにロスタイムの3分間に突入。が、ここで微妙で奇妙な運がドラマを生んだ。2分がすぎても攻め続ける新潟は再三クロス上げるがことごとく撥ね返され、あと30秒で0-0ドローと誰もが思ったそのとき、右SB三田が意表突くスルーパス、中央に張った三人のうちの、まずシルビーニョがそれをちょこんとヒールパス、わずか2、30センチ転がったそれを隣に立つ矢野がこれまたちょこんとヒールを当て、わずか10〜20センチ転がったそれを二人の後ろにいたエジがすかさずゴールへ流し込んだ! 新聞では「混戦の中から」とあるが、実際には二人の大男が0・5秒ぐらいの間に立て続けにちょこちょこと後ろへ蹴ってたわけで、当人たちの必死さに反してその図は妙に滑稽なものだった(写真がその瞬間。右端が蹴り込むエジ、中央と左端が肩越しに振り返って自分のパスの行方を見守る矢野とシル)。しかもあのとき明らかにロスタイムを3分以上すぎてた。もちろんエジは歓喜爆発させてサポ席へと走り、やっと落ち着いて再開した直後に終了のホイッスルが鳴ったときには、すでに7、8分経っていた……
監督があとで語ったように「褒められるのは勝ったことだけ。内容は全然ダメ」なのは事実だろうが、そうはいっても収穫は大きい。主力4人欠きながら代わりの深井・寺川・三田・中野が猛然と奮起して全員攻守ともに果敢だったこと。そして何より、形はどうあれエースの得点で勝つという結果を出せたことだ。これはでかい、ほんとにでかい。凄くいいもの一つ見たから、あと残り6試合全部負けてもいいとさえ思えるぐらい。それに監督がいうほど中身もダメとは思えなかった。矢野は代表得点以後ポストプレーだけじゃなく速さ・強さ・巧さ・怖さが俄然出てきたし(鹿島戦じゃ50メートルドリブル弾決めたし)、本間・坂本はますます安定感あるし、あと松尾が凄くいい感じで、再三深く切れ込んでチャンス作ってた。途中再加入ながら、反町時代には「うちで代表いけるのは松尾ぐらい」と監督にいわしめた才能で、FWでもいけるんじゃないかってぐらいの鋭さだ。という具合に、これで何で連敗なんかしちまったのかと思うほどこの日はみんな頑張ってたが、そこはやはり巡り合わせとかもあるんだろうな、千葉・柏・鹿島・浦和と今乗りに乗ってるチームばかりと立て続けだったわけだからな。まあここからだ。次の相手は今季本調子じゃない川崎。とはいえかつてのライバルとは思えないほどの強豪チームだってことは変わらない。一息つけたのを機に、あまり肩肘張らず、また負けて元々のつもりでのびのびやってもらえればいいと思う。

※終了後痛い問題が発覚した。MF千葉にドーピング違反の恐れが出たのでこの日外れていたのだ。そのお陰で、翌日(9/7)の新聞での新潟大宮戦は結果や内容よりその件一辺倒orz。というのはともかく、本人やチームにとって大事にならなければいいがと願うばかりだ。