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松嶋菜々子

美女か野獣 DVD-BOX やまとなでしこ DVD-BOX
犬神家の一族』(06版)ついこの前レンタルで見たばかりだが、今夜のTBS市川崑追悼のをまた見てしまった。それでふと思い立ち、松嶋菜々子に触れてみることにする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B6%8B%E8%8F%9C%E3%80%85%E5%AD%90
実はそう沢山は見ていない。『ひまわり』『GTO』は全然だし、『利家とまつ』も断片的に終わった。だが見てるものはいずれも相当面白かった部類に入る。『救命病棟24時』(99版)『氷の世界』『やまとなでしこ』『美女か野獣』。こうして見ると、『救命』以外の3作からある共通点が見い出せる。つまり3つとも松嶋が「異常にお高くとまってる」役柄なのだ。『氷』は故野沢尚作のミステリーで、殺人者かもしれず笑顔を見せない冷酷そうな謎の女、『やまと』では貧乏コンプレックスからカネのある男にだけ媚を売る傲慢女、『美女』では米国帰りの非情な辣腕TVプロデューサーと、いずれもその「お高さ」加減がリアリティ欠くほど徹底してるにも拘らず、相手役の男との対立の中で次第に人間性に目覚めていくというのが共通した見所になってる。とくに『やまと』は視聴率女王の座を決定的にした作で、MISIAの主題歌「Everything」も200万枚超の大ヒット(俺はカラオケで唄えるつもりでいる、唄ったことはまだないけど)。だがこれらの中で一番面白かったのは実は『美女か野獣』だ。低視聴率の落ち零れ報道番組に敏腕P(松嶋)が赴任し、手段を選ばない過剰なやり方を強制して部下の反発を買う。中でもディレクターの福山雅治は松嶋の元恋人で強引さを窘めるが、聞く耳を持たない。ここで面白いのは、TV局自身が作ってるドラマがテレビの内幕に自己言及してることだ。番組作りのいい加減さ、局内の歪な人間関係。無論そのままリアルじゃないにしても、PやDが自分たちを茶化した台本見て苦笑しながら「面白いからまいっか」とやってるのを想像すると可笑しい。一番記憶にあるのは、松嶋がある有力者(どんな設定の人物か度忘れした、まさかスポンサーじゃなかったとは思うが)にホテルに呼ばれ、番組のため渋々部屋にまで入ってしまい、福山に間一髪助けられるエピソードだ。当時週刊誌で「何であんな役やらなきゃならないの、パッカみたい」と松嶋が激怒したと報じられたが(たぶんガセ)、それが事実でもおかしくないような展開だった。ともかくそういう「テレビ」そのものの意識性とその象徴的存在だった松嶋との重なり方が妙に興味深かった記憶がある。あと『氷の世界』がDVD化されていないようなのがもったいない。
映画は『リング』シリーズと『ホワイトアウト』を劇場で見てるが、やはりこの人は基本的にテレビの人だろう。