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『相棒』

相棒 season 5 DVD-BOX 1(5枚組) 相棒 season 5 DVD-BOX 2(6枚組) オフィシャルガイドブック相棒 (FUSOSHA MOOK) 相棒 警視庁ふたりだけの特命係 (朝日文庫 い 68-1)
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
3/5(水)OAの『相棒』「新・Wの悲喜劇」(ゲスト中島知子)が叙述ミステリをやっていた! などというとその道のプロや通の人たちには「どこがじゃ」とかいわれるネタなのかもしれないが、とにかくこのエピソードに関する限り、少なくとも「テレビの刑事ドラマがストーリーの展開自体でもって視聴者側を騙しにかかってる」という珍しいケースであるようには見えた。実はお粗末にもつい寝過ごしちまって9時20分ぐらいからやっと見始めたんだが(録画はしてない)、それでもギリギリ前半の展開がおよそ読める時点には間に合った。もしもうちょっと遅かったら肝心なポイントを過ぎちまって──つまり叙述の叙述たる所以となる箇所を過ぎてしまって──何だか判らないことになってたところだった。どういう話かというと、妻(中島)が夫(徳井優)を風呂で煮殺して(!)アリバイ工作までして完全犯罪をやり遂げたかに思われたが、「特命」の二人組の鋭い取調と推理に追及され……というこの先が「ポイント」になるので、これ以上述べるとソフト化されたり再放送されたりする前にネタを割るってことになるからやめておくが(とここまで書いただけでも危ないところだが)、これはきっと年寄りとか子供とか普段ドラマでこういうもの見慣れない視聴者には「何だこれ?」と思われることが多かったんじゃないかな。あとたぶんブログなんかではすでに悪気のないままにネタバレされまくってるんじゃなかろうか。ただまあネタとしてはある意味単純至極だからあまり期待するほどのものでもないのかもしれないが。あとタイトルの「新」てのがどういうわけかと思ったら、去年「Wの悲喜劇」というやはり夫婦間の殺意テーマのエピソードがあって(ゲスト野村宏伸)、そのときのも妻が便器に尻を填め込んじまって餓死するというバカバカしい話だったらしく(実は憶えてないor見てない)、今回もそのシリーズ(?)ってことらしい(ただし前回のは叙述物というわけでもないらしいが)。
ところでドラマで叙述っぽかったものというと、たまにワイド・サスペンス系でも見かけることがある。一番印象的なのは随分前久本雅美が主人公やった単発物で、(これはもう見られることもないだろうからネタばらしするが)いつもの賑やかでとぼけたキャラのままの久本が偶然遭遇した殺人事件を行きがかり上調べていくが、後半途中から急に妙な展開に……と思ったらなんと主人公であり探偵役である(はずの)久本がいきなりナイフを振りかざして怖い顔で相手役に襲いかかった。つまり彼女自身が犯人だったというわけ。その手のドラマでヒロイン自身が犯人(しかもその時点まで視聴者にも伏せらてる)というのも珍しいことだし、何よりテレビで日頃そんなキャラを振られることのない久本が突然怖い顔になるってところがゾクッとさせた。あとこういうドラマの場合よくいわれるように、「配役見ただけで犯人がわかる」とか「ゲスト役者が犯人に決まってる」とか「この流れからすると、こいつと思わせといて実はこいつってのが定番だよな」とかいった視聴者の刷り込みと思い込みがあるわけで、それを逆手にとったケースもままある。

『相棒・劇場版』がGWに公開される。以前ドラマでのスペシャル版(ゲスト大塚寧々)がとんでもなくいい出来で驚いたが、初の映画版には是非それを上回ってほしいところだ。
http://www.aibou-movie.jp/