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『若い季節』『続・若い季節』

若い季節/続・若い季節(DVDツインパック) 
予約して届いてた『若い季節』『続・若い季節』(ツインパック)を2本ともようやく見た。いやー堪能したわー。
正編のほうはたしかに東宝の役者陣とくに大量の美女優陣(団令子浜美枝藤山陽子中真千子他)が目立ちすぎてるのがドラマと大きく違うってことだろうが、でも団とか浜とか無責任シリーズでの植木等との共演見慣れてるせいか違和感なく自然に楽しめた。というかこっちがドラマをそんなに細部まで記憶してないってせいもあるが。でも淡路恵子のきっぷのいい女社長ぶりとか松村達雄の温厚で渋い専務ぶりとかは子供心に刻まれた印象のままだった。ちょっと面白い演出だったのは、劇中で坂本九が「上を向いて歩こう」を唄い出そうとすると植木がすぐそれを盗って最後まで熱唱してしまい、逆にあとで植木が「スーダラ節」唄おうとしたら坂本がお返しとばかりに唄ってしまうところ。両大ヒット曲をいずれもご本家に唄わせずに終わるという、観客の期待をわざと裏切ってみせる皮肉趣味──というほどでもないかもしれないが。
ところで正編で何となく物足りない点があるとしたら中尾ミエ園まり伊東ゆかりの3人娘が出てないことだが(その分を東宝女優陣がカバーしてるってことかも)、その鬱憤を一気に晴らすために作られたかのようなのが『続・若い季節』で、こちらはもろ3人娘が主演。社長の淡路とその姉で料亭女将の沢村貞子のみ正編と同じだが、あとは総入れ替えに等しい。クレージー陣は今回は上司役の谷啓とちょい役ゲスト出演の植木のみ。とにかく化粧品売り子役の3人娘の陽気さ可愛らしさ楽しさをパーッと華やかに花開かせてるのが見所。1人1人の個性とか出させてるヒマはなくて3人一緒くたにガーッとやっちゃってる感じだが、それもまたよし。クレージーやザ・ピーナッツもいいけど、やっぱ当時のナベプロつったら彼女たちっしょ。いやーほんといいわー。
余談だが一番目立っててリーダー格の中尾が歌手としては文字通りの一発屋に終わり、逆に一番地味目だった伊東がヒット曲最多な上に一番長続きもしたってのが、これまた歴史の面白さ? また彼女らは近年一緒にライヴに回ったり(下の写真)、旧山古志村(現長岡)の地震復興に一役買って記念米「三人娘」の田植えやったりもしている。いまだそれほど元気ってのは嬉しいよね。