ひばり映画

久し振りに田中角栄記念館(旧西山町=現柏崎市)に入ったら、所縁のビデオ映像の観覧があって、美空ひばりメインのトーク番組に角栄が親交者としてゲスト出演したときの様子を見せていたが、ゲストには他に川口松太郎(故川口浩の父)もいて、若年から歌･踊り･芝居と万能の天才だったとひばり本人を前にして虚心かららしい口調で絶賛していた。それで往年のひばり映画が急に観たくなって(角栄はもうどうでもよくなり)、前から気になってた2本をレンタルした。『東京キッド』(1950)と『ひばり姫　初夢道中』(1953)。どちらも白黒。
前者は先頃のひばり伝記ドラマでもクローズアップされてた名ボードビリアン川田晴久がひばり(13歳ぐらい)とのハワイ･アメリカ公演旅行帰りに作った映画で、現実さながらに川田とひばりが流しをやる歌謡映画。タイトル曲｢東京キッド｣と｢悲しき口笛｣が有名だが、あまり知られてないであろう｢トンコ節｣(この映画見て初めて知った)がちょっとユニークなので採りあげてみる↓(1分)。ギター&デュエットしてるのが川田。

ひばりがここで客に何を配ってるのかがよく判らないが──それはともかく、13歳の歌声とはとても思えないな。

後者『初夢道中』は16歳ぐらいのときの作で、タイトルからしてお正月映画らしい華やかな歌謡満載時代劇。お家騒動で命を狙われるお城の姫が旅役者一座(座長伴淳三郎)に紛れ込んで歌と踊りを披露しながら悪家老をやっつける筋立て。腹心役の名優高田浩吉とともに繰り広げる殺陣(チャンバラ)も本格的で手抜きなしの迫力。勿論メインは数多の歌で、その都度変わる扮装も楽しい。一番有名なのは｢お祭りマンボ｣だが、残念ながらこの映画でのその歌の映像はないようなので、せめて当時の歌唱のみのを採りあげてみる↓(3分)。