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藤原紀香

危険な関係 完全版(1) [VHS]
昔の男 Vol.6 [DVD]


こんなときになんだが…
藤原紀香は女優として嫌いじゃないし、結構いいと思う。でもなぜかこれはという代表作とか高視聴率作に恵まれず不遇とすらいえる位置に長年いるのが不思議だった。ついには「女優失格の烙印」などと週刊誌に書かれる始末で、実際ドラマ界にぱったり顔を出さなくなった時期もあった。それでもいわゆるB系の代表的タレントなので決して完全に沈没することはなかったわけだが…
ってことで藤原の知られざる主演連ドラ代表作を採りあげてみる。1つは『危険な関係』で、殺人を犯して大企業の経営者に成り代わった男(豊川悦司)とそれを追う女刑事(藤原)が次第に微妙な感情を覚えながらも対決していく話で、非常にサスペンスフルな手に汗握らせる展開と心理の絡みとが巧くマッチし、『ザ・テレビジョン』誌が毎期やってるドラマアカデミーの作品賞を受賞するという高評価を得た。とくに藤原に協力したがために殺される先輩刑事モロ師岡の渋い演技が印象的だった。今期の『トライアングル』あたりに爪の垢でも呑ませたいミステリードラマの秀作だが、当初ビデオ化はされたものの残念ながらDVD化までには至っていない。
もう1つは内館牧子脚本『昔の男』で、文字通り昔の男(大沢たかお)と道ならぬよりを戻してしまうキャリアウーマン(死語?)の話で、例によって非常にエグい人間関係に眉を顰めること請け合いの情念ドラマ。内館ファンの藤原は相当気合入れて臨んだらしく熱演ぶりがひしひし伝わってきたが、視聴率的にはあまり成功とはいえなかった。それでも内館ブランドの強みかDVD化されてる。


ところで今回の件、やっぱりなという印象。もともと藤原にはグループSのボーカルTという周知公認の恋人がいたのに、いつの間にやら破局→たちまち結婚という展開で「?」だったので、やっぱ腹いせ混じりだったか(なんて言い方もどうかと思うが)と今になってあらためて思える。