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三波春夫

今日4/14は三波春夫の命日(2001死去)。



(※↑出身地長岡市塚野山=旧越路町=「三波春夫顕彰碑」隣の「昔ばなしとほたるの館」に展示されているジャケット・コレクション。05/11月撮影)
命日にも拘らず今夜の『歌謡コンサート』で一言も触れられることはなかった。美空ひばりは命日だ何だと曰くのある度に各局が特番を組むほどいまだ世の中でしっかりと活きてるが、生前にはともに国民的大歌手と持て囃されたにも拘らず(紅白のトリといえば判で捺したように三波美空コンビと決まってた1時代があった)死後まだ8年しか経ってないのにすっかり忘れ去られてる。死去時も国民栄誉賞に決まりかけながら直後に森内閣が倒れたためうやむやになったっけ。不運なのかそれとも支持率最低だった森の人気回復策の一端にならずに済んで幸いというべきか。後継のアメリカかぶれ=小泉が政局のドサクサの中で、蛇蝎のごとく嫌ってた田中角栄土建屋政治の発展期だった時代の象徴事たる五輪だの万博だのといったチャラチャラした歌を唄う浪花節あがりの田舎歌手の死などケロッと忘れてたとしても全くおかしくはないし(奇しくも角栄も三波と同郷だ)。
「お客さまは神さまです」が口癖だったようにいわれてるが、嘘だ。あれは某物まねタレントがいいだしたのが恰も本人のイメージに合ってるように聞こえたため独り歩きして流布したにすぎない。尤も本人にしてもそれが自分の考え方にひどく反してたってわけじゃなかっただろうから、頭から否定するのも何だし勝手にそう思われるのはむしろ幸いだぐらいのことは思ってたはずで、そのうちにまるでほんとに自分がいいだしたみたいな形をとらざるをえなくなったとしても無理はない。Wikiには何を思ったのか「三波にとっての〈神さま〉は目前の聴衆だけであってTV視聴者は含まれないので注意」みたいな余計なことまで書いてあるが、バカげてる。〈神さま〉自体本人の言じゃないのに、それについて無理やり訊かれたときの苦し紛れの返答の言葉尻を捉えて浅知恵で書いてるにすぎない。大体普通に考えて歌唄いが「私のお客さまにTV視聴者は含まれません」なんていうわけないだろ、何が「注意」だアホか。んなことがいえるんだったらレコードやCDで聴くのも「客だとは思ってない」ってことになるのか? …
ともあれ今夜の『歌謡コンサート』には三波の長編歌謡浪曲を多数カバーしててほとんど後継者とすらいえる島津亜矢を出演させていたんだから、せめて「俵星玄蕃」の触りぐらい唄わせて偲ぶのが生前散々世話になった(利用したというべきか)NHKのやるべきことだったと思う。
↓は子供の頃一番早く覚えた三波の歌「船方さんよ」(デビュー曲「チャンチキおけさ」のB面だったらしい)。爽やかな川の情景が好きだ。

三波春夫ベストコレクション