.

「戦犯裁判──第二の戦争」

日本海軍 400時間の証言』第3夜「戦犯裁判──第二の戦争」(8/11火)。
色々ありすぎるが昨日みたいに長ったらしくごちゃごちゃ書いてもしょうがない。1つだけ決定的に重要な証言がある。戦後の東京裁判での所謂「裁判対策」にあたった某海軍元将官がいう──「米内元海軍大臣マッカーサーの片腕フェラーズと密談し、『戦後統治のためには天皇を無罪にする必要があるから東條1人に全責任を負わせるべく工作せよ』との指示を受けた」。フェラーズはオブラートで包まず実際にそこまで生々しい言葉で指示した。某将官らはそれに従って証拠や証言を工作し(それには捏造・隠蔽・偽証等が当然含まれる)、結果首尾よく天皇は罪を免れ、陸軍の戦犯は東條以下6人が死刑判決を受けた。一方海軍は工作を成功させた見返りとして一人も死刑にならずに済んだ──開戦を決定し実際にそれを行ったのは海軍であり、戦況を救いがたい地獄と化さしめたのも海軍であるにもかかわらずだ。その構図は底知れぬどす黒さを湛えている。某将官はそれを自ら「反省会」の場で公言して録音に残し後世への戒めとしようとしたんだろうが、そんなことは到底一抹の贖罪にもならない。彼はその後自ら命を絶つでもなく九十余歳の天寿を全うした…
大体はっきりいって彼らのそんな「反省会」など「くだらない」の一言でかたづけるのが妥当だ──と今は思う。10年にも渡って百何十回もダラダラと…バカバカしいにもほどがある。それほど後悔してるんだったら反省会なんてヒマなことやってないでさっさと集団自決でもすりゃよかっただろうに。だが当然ながら彼らにはそんな勇気などあるわけもない。あの戦争の最暗黒の戦場は南京でもニューギニアでもレイテ島でもない、広島長崎ですらない、他ならぬ海軍軍令部の静謐に満ちた執務室──そここそが最も残虐で無慈悲な悪魔どもの蛮行の現場だ。ったく反吐が出る…


それからつい昨日知ったばかりだが、こんな本が出てるんだって。↓
[証言録]海軍反省会
まだ全録音の一部だけらしいが、4000円か…保身に汲々としてた弱虫どものオナニーじみた反省会をそんな大枚払ってまで読む気にゃなれんな──少なくとも今はまだ。
ついでながらAmazon読者評に1つ「好例」があがってたから紹介しとこう。
曰く「この本だけで日米の戦争原因は語れない。この戦争がなぜ起こったかを知りたい場合はもっと俯瞰的に明治維新まで遡り、地政学の視点で見ればよくわかる。決して個々の事象事件だけで判断してはならない」…
こういうセンセーショナルなものが出ると必ずこの手の懐疑派が声をあげるよね。チセーガクのシテンでフカンテキに見れば「よくわかる」とは、よほどの勉強家で頭のいい人なんだろうが、俺みたいな不勉強で頭の悪いやつは「個々の事件事象」でしか物事判断できないよ。つーかこの世の中には個々の事件事象「しかない」としか思えないんだがね。…とそんなこといってる迂闊なやつは戦争になったら真っ先に敵襲でブチ殺されるんだろうな。でチセーガクをフカンテキに勉強するような賢い御仁は軍令部にでも入ってよろしくやる、と…