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加藤和彦

加藤和彦死去。http://www.sponichi.co.jp/entertainment/flash/KFullFlash20091017059.html
帰って来たヨッパライ」(68)を初めて聴いたのは小学生の頃のような気がしていたが年を計算すると中学生だったようだ。友達の家に2、3人であがりこんでいたときたまたま流れてたラジオから妙な声の歌が聴こえてきて「何だこれ?!」とみんな思わず耳を傾けた。間もなくそれはザ・フォーク・クルセダーズなる三人組(北山修加藤和彦はしだのりひこ)らしいと判り、テレビでも唄うようになったのを見たが、正体をぼかすためか唄い手の姿が白黒反転映像になってたように記憶してる。当時はGSブーム真っ最中だったので異色どころか異端のヒット曲だった。そのうちにザ・ズートルビーなる変なグループが「水虫の歌」という変な曲を出してると知って再び「何だそれ?」と思ったらこれまた正体はフォークルだと判った(※後年のずうとるびとは無関係)。でも自分としてはとにかく王道?のGSが大好きだったので、「まあ百花繚乱のGSの中にはそういう変わったのもいてもいいかな」ぐらいの評価?だったが、やがてGSブームの終焉とともに元フォークルの3人が今度は次にきたフォークブームの元祖みたいに奉りあげられていくようになると、フォーク嫌いとしてはなんだか嫌な感じがしたものだった。ビートルズ来日を頂点とするあの時代にはその前後を決定的に分断する大きな切断面があったと最近つくづく思うが(個人的にはそれはネガティヴな意味を持つ。いずれ詳しく採りあげたい)、加藤和彦という人はその「切断」に陰で大きな役割を果たしていたのかもしれない(無論それもネガティヴな意味合いでだ)。


帰って来たヨッパライザ・フォーク・クルセダーズ↓。以前『音楽戦士』に加藤がゲスト出演したとき、この歌を初めて聴いたというMCの1人青木さやかが「いい歌で感激して泣きそうになった」という極寒の勘違い発言をして加藤を失笑させてたのを思い出す。


ザ・ズートルビー「水虫の唄」↓。加藤作曲・北山作詞。歌詞は明らかに当時の王道GSを揶揄してる。これは超貴重なテレビでの歌唱映像。


ベッツィ&クリス「白い色は恋人の色」↓。加藤作曲・北山作詞。個人的には「あの素晴しい愛をもう一度」「悲しくてやりきれない」よりこれがいい。


竹内まりや「不思議なピーチパイ」↓。加藤作曲、作詞は夫人の安井かずみ。デビュー間もない頃の竹内の人気を一躍高めたスマッシュヒット。変り種アイドル歌手といった趣だった彼女が後年「駅」や「シングル・アゲイン」で一家を成す大御所アーチストになろうとは当時は想像もしなかった。

                                                                             ご冥福を祈ります。
ザ・フォーク・クルセダーズ ゴールデン☆ベスト