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寺泉憲

3/10水『相棒season8最終回2hSP』。http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/story/cur/index.html
最終回の視聴率は今期の全連ドラで唯一20%越えを果たした。無論最終回が2hSPになったのも唯一。常回も唯一17〜18%を堅持し他を圧倒。数字面でも横綱相撲だが内容も「今時このローテンションでこの人気維持っぷりは?」と驚かざるをえないあまりに独特なトーンを終始徹底させていた。これは相当強い「自覚」がなきゃ無理だ。こういう芸当は一朝一夕じゃできない。「このキャスティングなら受けるさ」とか「この手の台本なら当たるんだな」とかいった付焼刃な見方が意味をなすような次元じゃない。脚本演出キャストの妙だけじゃない、ファンの付き方・局の色合い・時間帯の質・シーズン巡回の間合い・そして何よりスタッフ+キャスト+ファンが一体となって長年培ってきた換えの利かない「テレビ番組」としての個性etc…そういったものが渾然となって奏効してのものなので、他局が「この路線イケるな、うちもこれで一発」とかいって似たようなことをやったとしても柳の下の泥鰌は絶対に掬えない。同じ意味で「この場合にはこうするのが常道だろう」とかいったくだらない常識論もここでは通用しない。1つだけいえば次シーズンはここらで是非また片山雛子(木村佳乃)をレギュラー復活させてほしい。正直いってこのシリーズ個人的には彼女以外に格別に贔屓の女優がいないので実のところ作品自体への思い入れとなるとゼロに等しい(にも拘らずドラマとしてのユニークさには脱帽せざるをえないってこと)。
ところで今度の最終回SPのメインゲストは久々にゴールデンのテレビ画面で顔見た水野美紀ってことになるわけだが、個人的にはむしろその上官役で大熱演だった寺泉憲が目を惹いた。

この人こういう役ほんと似合うね。若く見えて実は還暦すぎてるらしいから、ほんとならもう警察定年になってる頃だろうけど(ドラマ界じゃそういうのはしょっちゅうだが)。で寺泉憲といえば個人的には映画『帝都物語』の寺田寅彦役。昔今は亡き『幻想文学』誌で浅○通明氏が「寺田役以外はどの配役も似合ってた」と評してたのが妙に記憶にあって、全然そんなことないむしろ最適役だと思った(今も思ってる)。ドラマじゃ単発ゲストが多いみたいだが連ドラレギュラーもあってもいい人だ(次期『相棒』で片山雛子に絡ませるとか?)。








3/11木『853刑事・加茂伸之介』最終回。http://wws.tv-asahi.co.jp/853/story/cur/index.html

『相棒』からの独り立ち組だが初シーズンてこともあって数字面は振るわず。ただこのドラマ目を皿にしないと判らない質のマニアックな小ネタが無数に鏤められてて、とくに最終回は炸裂。DVD化には漕ぎつけたらしいからシリーズ化もないわけじゃないだろう(シリーズ化といえば『PS羅生門』(佳乃嬢主演)またやってくれんものかな)。
ところで同じ3/11木に『不毛地帯』がSPも組めないまま人知れず(?)ひっそりと最終回を迎えたようだ。ほんとなら今年最大の話題作になるはすだっただろうが残念なことだ。個人的にも当初はこれだけは見続けようと思ってたのにいち早く匙を投げちまった。作りや演出やキャスティングが悪いわけじゃないむしろ『白い巨塔』路線踏襲して極めて「普通に」作ってたので大いに好感持ったんだが…如何せん題材の「焦点」が曖昧すぎたいろんな意味で。ついでにいえばその裏の『ブラタモリ』(こちらを視聴)まであっさり最終回になってたのはもっと残念。







3/12金『宿命1969-2010 -ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京-』最終回。http://syukumei1969-2010.asahi.co.jp/

北村一輝連ドラ初主演作と銘打ってたが実は初じゃないんだよね『ひと夏のパパへ』ってのがずっと前にあった(尤もあれは公的には上戸彩単独主演てことなんだろうが)。でこの『宿命』は個人的には今期唯一ある種の思い入れ(北村さん好きなので)と面白さとが相俟って惹かれてた作。昼ドラまっつぁおの人間関係どろどろっぷりは近頃絶えてなかった路線。また登場人物全員がセレブリティ(ていうかエリート)ってのはバブル期以前の所謂「トレンディードラマ」以後これまた絶えてなかった空気感。そういう「濃さ」が北村の顔の濃さに象徴されてて?前半異様な迫力を醸していたが、終盤急速に薄らいでしまったのがやや悔やまれる、いろんな意味で仕方ないんだろうが。あと繰り返しになるが真野響子の再発見?がやはり収穫ではあった。
ってことで採りあげた3作がどれもテレ朝ってことになっちまったのは拍手すべきなのか? いややはり残念がるべきだろうな、往年の「ドラマのTBS」はどこいっちまったんだろ…