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中原丈雄

今期連ドラでは刑事ドラマ系の数字の上での滑り出しが妙にいい。
『新参者』初回21.0%、『臨場』2回18.6%、『絶対零度〜未解決事件特命捜査』初回18.0%、『警視庁失踪人捜査課』16.4%、『おみやさん』15.4%。
『新参者』、阿部寛は元々数字のついてる俳優なのでそっちのほうはある程度予想されてたが、しかし個心的にはダメで開始15分で見るのやめた。何が原因なのかといわれるとどうも明確にはいえないが…とにかく最近のTBS連ドラは不思議なほど肌に合わない。要するに生理的な何かだな。一方『臨場』は相性のいいテレ朝ではあるが前シーズンから内野聖陽演じる主役キャラが鼻につきすぎてるので割愛。『絶対零度』はCX版『おみやさん』てところだが見てみたら意外とイケた。上戸彩はとにかく視聴率でコケ続けながらも主演を振られ続ける不思議な女優?の代表格になっちまってるが、これで再浮揚なるか?(オスカーもさぞ胸を撫でおろしてるだろう) 一番期待してたのが『失踪人』で何といっても沢村一樹の『浅見光彦』からはガラリと転換した「鬱」路線がいい! 数字も『浅見』の3倍近く(!)を叩き出してるので役者としての今後も一応安堵ってことでよさそう。一番安心して見ていられるのが『おみやさん』で既に伝統芸の域に入ってる。といっても狙いは勿論相変わらず櫻井淳子(子持ち)ではあるが。あとテレ朝深夜枠でちょっと期待してたのが『警部補矢部謙三』だったが、これが意外にもハズレで落胆。とにかく本家堤幸彦と笑いのツボが違いすぎるってのが致命的だ──つっても勿論同じである必要はないしむしろ全然別路線で大いに可笑しくしてくれたらそれこそ大歓迎なんだが、何というのかクスリともできないレベルにとどまってるってのがどうにも… でもまあ本家『TRICK』劇場版新作公開に合わせてのスピンオフってことで同時期にOAされた本家ドラマ版1シーズン第1回再放送を何年ぶりで見れたのはよかった。
ところで『絶対零度』で目を惹いたのは連ドラレギュラーってのがとても珍しい中原丈雄(最ベテランの白石刑事役)。

脇役出演は数知れずだが、やはり『白い巨塔』で石坂浩二演じる東教授の味方となりながらのちに見切りをつけて痛烈な嫌みを吐き東を激怒させた船尾教授役が印象的だ。サスペンスでは犯人役こそないものの専ら悪徳や不正に手を染めている重役といった役どころが多く、刑事役など「主人公サイド」につくことはほとんどなかったので、今回のキャスティングはとても新鮮な感じがする。この人の「幅」を是非活かしてほしい。
http://wwwz.fujitv.co.jp/C-273/chart/index.html










ところで『ザ・テレビジョン』誌恒例のドラマアカデミー賞第64回が発表になってる。作品賞は『コード・ブルー2nd』。これは個人的には残念ながら見てないしあまり興味も湧かないが、まあ山P・戸田・新垣という今一番旬なトライアングルでしかも月9で予算も格段にかかってて数字も安定ということになれば妥当なところだろう。主演男優賞は『不毛地帯唐沢寿明。興行的には失敗というしかないが、朴訥にちゃんと作ってるドラマがこういう形で報われた結果はよかったと思う(『不毛』は他に監督賞も受賞)。主演女優賞は菅野美穂が読者票・TV記者票・審査員票の三部門ともトップでダントツの受賞。今期はライバルが榮倉奈々程度(といっちゃ失礼だが)だったので楽勝すぎた感も。助演男優賞『相棒』及川光博。前任と全く違うキャラを成功させたのは大きい(『相棒』は脚本賞も)。助演女優賞は『泣かないと決めた日』杏。個人的には何といっても永作博美だが、最近活躍著しい新顔を奨励しておくのも大事だろう。このドラマアカデミーを昔からある程度信頼してるのは、読者票だけでなく審査員票だけでもなくTV記者票をプラスしてその結果から審査員が最終決定するというかなりフェアになり易いやり方を採ってるから(その点例えば『日刊スポーツ』のドラマ賞は読者票だけで決めてるので各賞ともいつも必ずJ絡み&ヅカ絡みが受賞する)。